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短編戯曲『青行燈』 裏話






こんにちは!


今回は、短編戯曲『青行燈』の裏話をします。

作品はこちらからどうぞ。
↓  ↓  ↓


この作品は昨年の春に書いた、私の記念すべき第一作目の作品です。

私は小さい頃からファンタジーのような世界観が好きで、
小学生時代は根っから妖怪にハマっていました。
水木しげる、高橋留美子、地獄先生ぬ〜べ〜、怪談レストラン、etc・・・
これらに育ててもらったような人生です。
無事妄想癖の大人に成長しました。

そういった経緯があって、初めて書くお話のテーマを「妖怪」にすることは
とてもすんなり決定しました。

青行燈という妖怪についての怪談や伝承は実際に存在していて、
江戸時代に怪談や百物語が流行した際に語られ始めた妖怪であるようです。
諸説あります!

この青行燈には、以前から興味があって、
怪談が百話目に近づいてくると会場付近に待機し始めるのに、大体の場合皆ビビって百話目までやらないから驚かす出番がなかなかこないとか、
そうやって出番がないせいで青行燈がどういう妖怪なのか、出てくると何が起きるのか誰もよく知らないとか、
素人が話す怪談を一晩中延々と聞いて待機してるとか、
でも出番がないとか、
色々とツッコミどころのある妖怪だな、と思っていました。
妖怪の面白いところは、時々こういった意味のわからない個性と、現実的すぎる人間味を持っている可愛らしいやつがいるところです。

青行燈の独特のキャラクターを私なりに解釈して、
青さんという愛らしい登場人物が生まれました。
青さんを書いているのは本当に楽しかったです。

怪談=語るというイメージから、
青さんの恋人、白兵衞は落語家に就職しました。
これは当時の私が落語にハマっていたためです。
白兵衞の語りだしは、桂歌丸さんの演目を参考にさせていただきました。


『青行燈』は学校の実習課題として出した作品で、
お題が「作者にしか分からない設定を設ける」でした。

この実習では、課題を提出すると次の回で皆で読んで、合評会を行ったのですが、
読んでもらった人たちは、青さんが妖怪であることが伏せられた設定である、と予想したそうです。
確かに物語の中で、青行燈が妖怪であるとか、人間ではないと言うことをはっきりと口にしていないので、
青行燈の正体についてのことが、作者にしか分からない設定にもなります。
これを聞いてなるほどと思いました。

実際に私が考えていた設定は、
白兵衞は青行燈と長く一緒にいすぎたせいで病弱であり、不幸が重なって死ぬ、
というものでした。
これはSEKAI NO OWARIの『スノーマジックファンタジー』の世界観から発想をいただいて、引っ張ってきた設定です。
妄想癖かつファンタジー脳な上にロマンチストなせいで、
なかなか複雑な設定を設けてしまったなぁ、
と、合評会の時に思い至りました。
そういった裏設定を踏まえて読むと、また違った読み方ができるかもしれません。


右も左もわからず、ほとんど手癖でがむしゃらに書いたような物語なので、
拙いところもたくさんあると思いますが、
そういった至らない部分も楽しんでいただけたらと思い、ほとんどブラッシュアップしていない初稿の状態で公開しました。
自分で読み返すと、初めてならではの熱量や試行錯誤した当時の思い出が蘇ってくるし、
ここから頑張るぞ!という気持ちにもなれるので、
個人的にお気に入り作品のうちの一つです。

是非ご一読いただけたらと思います。


ではまた次回!

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