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マタイの召命 ~徴税人を探せ!~

TAMA SALON
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イタリア・バロック絵画の先駆者であるミケランジェロ・メリージ・ダ・カラバッジョ。彼の出世作がローマのサン・ルイージ・デイ・フランチェージ聖堂にあるマタイ三部作。
 そのうち「マタイの召命」はイエス・キリストが「我に従え」とマタイに告げるシーンです。このあとマタイは同胞から嫌われる徴税人を辞めて12使徒の1人として弟子になります。
 1600年にマタイの召命が発表されカラバッジョは一躍人気者に。彼の作風を真似るカラバッジェスキが次々と生まれます。

 ただ、カラバッジョは仕事を終えて酒場に繰り出すと暴行、恐喝など徒党を組んで暴れます。最後は殺人事件まで起こして死刑判決を受けてしまいます。指名手配のなか逃避行中も名作を残しつつ、1610年に熱病で倒れて亡くなります。
 マタイの召命の発表から10年後です。

 また、マタイの召命には「マタイはどの人物なのか?」という解けない謎も隠されています。イエス・キリストが指さす方向に座っているひげの男性が、自分の胸を指しながら、「私ですか?」と驚いている。このひげの男性がマタイであると解釈されてきました。
 もう一つの解釈は、テーブルの左端で一心不乱にお金を数えている青年がマタイだという説も。確かに、ひげのおじさんの指は自分ではなく隣に居る人を刺しているような気もします。

 でも私は、青年が数えるお金を中腰でチェックしている眼鏡の男性がマタイではないかと新説を💦テーブルに座っている他の4人は来客風で同じ服装なのに、この男性は洋服もよく見えない。帽子を被ったり似たような洋服の4人と属性が違います。単なる私の個人的な解釈です。

 祭壇画なのでこの絵が来日することはありません。現地で現物を見て謎解きしなければ。
 皆さんは、作品に描かれているどの人物がマタイだと思われますか?

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