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オランダ生活:朝からとんでもないセールに参戦した話

朝8時。娘の登園準備の合間に娘が「ママ幽霊になって追いかけて」というので、全力で窓際まで追いかけていったところ、ふと窓の外を見ると斜め前の子供服屋さんにママたちの行列が。お店が開店し、ぞくぞくと入っていってお目当てのサイズの服をこれでもかと腕に抱えている様子が目に入ってきます。このお店はオランダブランドの子供服を多数扱っていて、それはそれは大人も着られるような素敵なデザインの服が勢ぞろいするオシャレ子供服屋さんです。
これはついにあの時が来た!そう。何も隠しません。夏の大セール。
6月中旬くらいから30%オフはやっていたのですが、まだまだ安くなるなと私もその日を心待ちにしていました。しかも普段あまり買い物などしない堅実なオランダ人が朝8時から列をなしてまでとなると、これはただ事ではないはず。
娘の送迎担当の夫に、「前の子供服屋さんでただならぬセールが始まった予感がする」と伝えると、「参戦してこい!」ということで、3分で身支度を整えて向かいました。

どれくらいの割引になったのかな~とお店に入ると、壁には大きく「5=2」の文字が。オランダでは割引やセールは「〇=〇」や「1+1 gratis(1個買ったら1個無料)」という表記をすることが多く、今回の「5=2」は「5着を2着の値段で売ります」という意味になります。
なんてこった!めっちゃ安いじゃん!と私の鼓動はますます高まるばかり。日本から娘の服は十分に持ってきていたため、あまり増やさないようにと超真剣に吟味し、無事5着を選んでその中から高い2着の値段を支払い残り3着は無料でゲットしてきました。実質6割引きほどの値下げになりました。(価格差が大きいものを買うより、同じくらいのものを5着買うのがお得なポイントです!)

長いお会計の列を待っている間よく見ていると、5着なんて全然少ないほうで、みんな手には10着、20着と色とりどりの服を持っていて、中には定員さんに自分用のハンガーラックを持ってきてもらってそこに買うものを吊り下げていく強者も。帰り際ちょうど横を通った際にその方が話しかけてきて、「うちは子供が3人いるからこれ全部買うの」と言ってガラガラと2台のハンガーラックと共にレジに消えていきました。

「オランダ人はケチ」という議論を一蹴するような、ある意味ラックのここからここまで全部いただくわという憧れの買い物の仕方を目の当たりにし、ケチというより、適切なタイミングで適正価格を払う、そんな国民性を感じた出来事でした。何度もオランダに来ていた私にとって、オランダ人が殺到するセールは初体験でしたが、その買う量は日本人の比ではなく、今も窓の外を見ると、大きな紙袋をたくさん抱えたお客さんが満足そうに帰っていくのが見えます。

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