見て見ぬふりをするのってサイコパス!?


こんにちは。心理カウンセラーのたまちゃんです。

今回は社会心理に潜む闇の世界をご紹介したいと思います。

困っている人を見たら手を差し伸べてあげるのはいいことだというのは誰でも知っていること。では、日頃から実践されている人はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

ものすごく急いでいるときに重い荷物を持っているおばあちゃんの姿をみたときにそっと手を差し伸べたり、道端で迷っている人を見かけたとき声をかけて道を教えていることを実践している人もいると思います。しかし、電車のなかで具合が悪そうにしている人の姿を見ても、席を譲らない人もいるでしょう。

この記事をご覧になったあなたは自信を持って困っている人を助けているといえますか?

もちろん、見て見ぬふりをしているからといってあなたがサイコパスである可能性は否定できませんが、サイコパスでない一般人でも見て見ぬふりをすることはよくあることなのです。


見て見ぬふりをする心理とは


1964年、ニューヨークの住宅街で、深夜に女性が住宅前で、刺殺される事件が起きました。犯行は30分以上に及びアパートの住民らは彼女の悲鳴を聞いただけでなく、窓辺からもこの事件を目撃をしていたようです。それにも関わらず誰一人として、彼女を助けるどころか警察にすることもなかったそうです。

この事件を聞いて「なんてひどい人たちなんだ!!」もし自分だったら絶対に通報するはず、と思われる人もいるでしょう。実際にこの事件をマスコミは「大都市特有の冷淡さや他人への無関心が背景にある」と論じられました。

この事件を詳しく論じる前に、サイコパスの要素を確認していきましょう。

サイコパスの要素のひとつには「共感ができない」「良心の欠如」「他人に無関心」というものがあります。

一般の人は相手に共感するという要素がありますが、サイコパスには他者に共感することなく、自分の利益を追求する傾向にあります。

サイコパスは自分の利益になるのであれば、たとえ他者が傷ついてもかまわないというマインドを持ち、基本的には他者への関心はありません。

話を戻すとこの事件もまた被害者がどうなろうが知ったことではない。

むしろ傷ついている姿を見て喜んでいるのでは、というサイコパスの要素を疑ってしまうかもしれませんが、そうではありません。

傍観者効果


心理学者のラクネとダーリーはなぜ、これほどの時間と目撃数がありながらも住民たちは彼女を助けなかったのかを確かめようとしました。

その結果、多くの人の目撃者がいたことがかえって人々の援助行動を抑制したのではないかと考えました。この説を確かめようとしてある実験をしました。


みなさんも一緒に想像をしてみてください。


初めに被験者である学生に「ある調査に協力して欲しい」といわれ、参加を依頼しました。到着すると、部屋まで案内してくれたので、アンケートの調査の回答をはじめました。案内をしてくれた女性は隣の部屋に移動をした後、しばらくすると「ガッシャーン」という何かが倒れる物音と先ほど案内をしてくれた女性のうめき声が聞こえてきます。そのときに参加者がどんな行動に出るかという実験をしました。


この実験では1きりでいた場合は、約9割の人が悲鳴を聞いてから40秒以内に助けにいったにも関わらず、赤の他人といた場合は、悲鳴を聞こえてから120秒が経過しても、約4割の人しか助けに入らないという結果になりました。


この実験から、多くの他者といるときほど、人は助けに入らないという傍観者効果が証明されたわけです。


この理由のひとつに「自分がやらなくても誰かがやってくれる」という心理が働くためといわれています。

たとえば、オフィスの観葉植物に水をあげていない状態が続いているとするけれど、きっと誰かがやってくれるだろうと思ってしまうなんてことってありませんか?

誰でもできて自分には責任のない仕事ほど、誰かがやってくれるだろうと思いたくなるものを「責任の分散」といいます。

先ほど、「誰でもできて自分には責任のない仕事」とお話をしましたが、私たちは周囲が助けに行かないという状況を「緊急ではない」と認識してしまうものです。

相手が動いていないのはきっと緊急ではないから、私も動かなくてもいいと行動の正当化をしてしまうものなのです。


サイコパスと一般人の違いとは


ここまでは見て見ぬふりをしてしまう原因をお話をしてきました。見て見ぬふりをするのはよくあることなんだ、と驚いた人もいるでしょう。

次にサイコパスと一般人の違いについてお話をしていきましょう。一般の人は、たとえ見て見ぬふりをしていたとしても「あのとき声をかければよかった」と後悔をするものです。

今回のキティ・ジェノヴィース事件の住民らもまた、「誰かがやるだろう」と思ったけれど誰もやってくれずに見殺しにしてしまったと後悔をしているでしょう。

後悔することは相手に関心があり相手の痛みに寄り添うことができるからあれこれ悩んでしまうのです。

その一方でサイコパスはこの事件を聞いてもなんとも感じません。

被害者の痛みを想像しようとしても、相手の痛みに寄り添うことはないでしょう。

相手の痛みに関心があるかどうかがサイコパスと一般人との違いです。


見て見ぬふりはよくあること


見て見ぬふりをするという状況はよくあることです。誰かがやるだろうと思ってしまった時点でアウトだと思ってください。

例えば、道端で倒れている人をみたら「誰かが助けてくれるだろう」と見過ごして、その人が助けを求められずに亡くなってしまうことだってあるのです。

そう思ったときこそ、あなた自身が助けて差し上げることが大切です。


私たちは気づいた瞬間から変わることができるのですから。

今回は見て見ぬふりをしてしまう傍観者効果についてお話をしました。

この記事を最後まで見てくれたあなたなら、傍観者効果になってしまう心理を理解したうえで困っている人に手を差し伸べてあげることができるはずです。


この記事を作成するにあたって、参考にさせていただいた本はこちらになります。


眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学 集団・社会生活の中の人間の心の本質を探る!

Twitter:@tama_Counsellor
HP: https://tamacounsellor.com/

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