はじめての十勝。帯広駅チカグルメ旅で地元愛に心満たされる
十勝ってなにがあるの?
という質問に、2ヶ月前に人生ではじめて十勝を訪れた超初心者のわたしがお答えしてみる。
伝えたい魅力はたくさんあるが、ズバリ推したいのは地元愛に満ちたグルメ。
十勝は食が豊かで、なんと食料自給率1000%超え!ゼロの数を間違えているわけじゃない。ゆうに千を超えている。じゃがいも、小麦、豆、牛乳、乳製品、豚、牛などなど、十勝は農業王国かつ酪農王国なのだ。
それもあってか、十勝には地域に根ざしたグルメが多い気がする。
というわけで、せっかくの食欲の秋。今回はわたしが十勝で味わった地元グルメをご紹介したい。すべて帯広駅から歩いて10分以内の場所なので、はじめて行く方の参考になれば!
創業者の夢を叶えた味、「ぱんちょう」の豚丼
帯広といえば豚丼!
ということで、到着して真っ先に向かったのが「元祖豚丼のぱんちょう」。
「元祖」とあるように豚丼発祥の店として知られている。平日の13:00ぐらいに行って偶然並ばずに入れたが、後日お店の前を通ると11:00台から行列が。それほどの有名店だ。
そんな大人気の豚丼がこちら!
ふたを開けるとお肉がででん!
これで一番少ない4枚。もっと多いものは、きっとあふれんばかりのお肉たちがお目見えする。
一口食べれば、口内に満ちる炭火焼とタレの風味。脂はのっているけれど、しつこくない。実は脂身があまり得意ではないわたしでもおいしく頂けた。
そもそも豚丼は、この店の創業者が「十勝の特色ある食べ物をつくりたい」という想いで生み出したものなのだそう。帯広で養豚が盛んだったため豚肉を使いたいと思案したすえに、豚丼にたどり着いたらしい。
戦争中に創業者が駆り出された時は、妻のウメさんが7人の子育てをしながらお店を守ったのだとか。それを讃えて、ぱんちょうのメニューは「松竹梅」ではなく「梅竹松」。梅に向かうほど肉の枚数が多く豪華になる。
そうして夫婦で守り抜いた豚丼は、今やすっかり十勝名物だ。創業者の夢を叶えた味だと思うと、おいしさもひとしおだった。
🐖
六花亭のホットケーキで豊かなおやつタイム
北海道みやげの定番といえば、六花亭の「マルセイバターサンド」を挙げる人も多いはず。実はその六花亭も帯広生まれだ。
本店には喫茶室が併設されており、食事やスイーツを楽しむことができる。ホットケーキがおいしかったと親戚から聞いていたので、それを目当てに訪れてみた。
これぞシンプルイズベストなホットケーキ!甘すぎずやさしい味で、豚丼の後にもかかわらずぺろりと食べてしまった。うーん、なんと優雅なコーヒータイム。これだけでいい日になりそう。
店舗では、バターサンドをはじめ六花亭の商品を買うことができる。お菓子屋さんというより、美術館のような雰囲気なのがとても印象的だった。
さすがは本店とあって、品揃えも大充実。和菓子やおかきもあり、「こんなのもつくってるんだ!」と思うほど。見れば見るほど「六花亭ってそもそもなんの店だ?」と疑問がわいてきた。
調べてみると、六花亭はおやつ菓子屋さんらしい。「洋菓子店」とかではなくて、地元の人が毎日気軽に買いに来られるおやつ屋さん。どおりでいろいろなお菓子が売られているわけだ。
そして、ホームページで見つけた六花亭の基本方針にはこうあった。
お菓子作りの先には「ゆたかな生活」がある。なるほど、たしかに六花亭のお菓子って、もらうとちょっと贅沢な気分になる。美術館のような店舗も、ゆったりとした時間が流れる喫茶室も、「ゆたかな生活」というコンセプトの表れなのかもしれない。
🥞
十勝のソウルフード、インデアンカレー
たまたまSNSで知って行ってみたいと思っていたのが「インデアンカレー」。地元民に愛される十勝のソウルフードらしい。
関西にお住まいの方は「どっかで見たことあるぞ……」と思われたかもしれないが、全く別のお店のようだ。
夕飯時に向かうと、テイクアウトも含めて店内には行列が!いきなり「地元民に愛されている」を目の当たりにし、俄然楽しみになる。
見た目はなんの変哲もない超絶シンプルなルーカレー。しかし、侮ることなかれ。これがめっちゃくちゃおいしい……!一口食べて「う、うま……‼‼」と驚いた。
どう表現していいのか分からないのだが、いろいろな旨味がぎゅっとつまっているというかなんというか。シンプルな見た目とは裏腹に、かなり奥深い味わいだった。
正直、スパイスカレーとかインドカレーの方がそそられるんだよなぁ……と思っていたのだが、完全に舐めてた。土下座したい。
ちなみにこのインデアンカレー、自らを「帯広で2番目においしい店」と謳っている。なにゆえ二番?と思ったら、一番は家の味ということらしい。そんなところにも地域の人への愛を感じてほほえましい気持ちになる。
🍛
100%十勝産にこだわる、ますやパン
最後は、十勝のローカルベーカリー「ますやパン」。なんとはなしに名前を聞いたことがあったのだが、十勝産小麦100%にこだわっていると知ってにわかに行きたくなった。
「まちのパン屋さん」という感じで街角にたたずんでいる雰囲気がまた素敵。
おいしそうなパンがたくさん並んでいて決めるに苦労したが、定番メニューだという白スパサンドと、個人的に好きな豆パンを購入。
白スパサンドは、マヨネーズあえスパゲティのサンドイッチ。「パスタとパンって重いかな……」と思ったが、からしがいいアクセントになってパクパク食が進む。
豆パンは思った以上に豆がぎっしりで、豆好きとしてはめちゃくちゃうれしい。豆も十勝の名産のひとつなので、たくさん十勝を味わえた気分で大満足だった。
ますやパンが100%十勝産小麦にこだわるのは、十勝産小麦のよさを知ってもらうため。十勝は日本一の小麦生産量を誇るのに、なぜか流通しているパンのほとんどが外国産小麦を使っている。そこへの疑問から地産地消の取り組みが始まったそうだ。
そんな地元愛満載のパン。食べることが応援になるのもうれしい。
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以上、(独断と偏見による)帯広駅から徒歩で巡れるグルメ4選!
どれも地元愛を感じるものばかりで、おなかだけじゃなく心も満たされるとても幸せな旅だった。さすがは食の宝庫、十勝。
そしてきっと、まだまだ魅力的なグルメがたくさんあるはず。これから開拓するのも楽しみだ。
みなさんもぜひ、足を運んでいろいろ発見してみてほしい。