ワイン入門の思い出 ①ドイツの甘口白ワイン

ワインに入門した学生時代に、ドイツの甘口白からスタートして、ブルゴーニュ赤に辿り着くまでの変遷を書いていきたいと思います。時期は2000年前後、当時の私とワインを取り巻く状況は前回記事に書いた通りです。

ドイツの甘口白ワインから入門スタート

当時、ワイン初心者はドイツの甘口白ワインから入るのがお勧め、という話を聞いて、私もそこから入りました。赤ワインは酸っぱくて渋いという印象を持っていたので、そんな私にはちょうど良い入口だったように思います。

入門者向けのドイツの甘口白で有名なのが、リープフラウミルヒです。最も有名なのは、ファルケンベルグ社のマドンナでしょう。これは今でも変わらないと思います。サントリーが輸入元として担いでいるため、スーパーで見かけることも多く、手軽に購入できるのも入門者には重要なポイントです。

これと並んで有名なのが、シュヴァルツカッツです。ラベルに黒猫が描かれていてすぐにそれと分かるところも、入門者にはありがたいところです。

他に同じタイプのワインとして、ブラックタワーも有名です。

リープフラウミルヒ、シュヴァルツカッツは、安いものだとボトル1本500円を切ります。アルコール度数低めで口当たりは柔らかく、酸は穏やかでほんのり甘い。日本人が白ブドウに期待するマスカットのフルーティな香りがあり、とても飲みやすい。大きな感動を呼び起こすようなものではありませんが、安いものも含めて、飲めないほど美味しくないものには当たらなかったと記憶しています。

ひとつ注意すべき点として、このカテゴリのワインは青色のボトルであることが多いですが、青色のボトルは光に弱くとても劣化しやすいということです。私も実際に、コンビニで買った青色のボトルのシュヴァルツカッツが、盛大に劣化していたことがありました。

この辺りの安酒を飲みながら、入門書でドイツワインの格付けを調べて、最上級のトロッケンベーレンアウスレーゼが世界三大貴腐ワインの一つという知識を得て、飲んでみたいけれど高くて手が出ず、シュペトレーゼやアウスレーゼを試して比較したりしていました。

また、入門書に必ず出てくるのが、フランケンのボックスボイテル型の瓶です。ワインボトルの形状の紹介で、ボルドーはいかり肩、ブルゴーニュはなで肩、他にこんなのもあるよ、というところで出てきます。甘口ではなく辛口ということもあり、飲んでみたかったのですが、当時は価格が3000円以上するものしか見当たらず、学生の時は飲む機会がありませんでした。

あとは、レーマー型のグラスを買ってきて、それで飲んでみたりとか。今はもうこのグラスでワインを飲むことはありませんが、その個性的なデザインから、家の玄関や洗面台などのちょっとしたスペースを飾り付けるのに使っていて、今でも現役で活躍しています。

そして赤ワインへ

入門時は、ドイツワインに関してはこれくらいのトピックをざっくりと抑えて、少しずつ赤ワインに移行していきました。

ただ、ドイツの甘口白ワインが飲めたからと言って、赤ワインが苦手だった人が急に赤を楽しめるようになるはずもなく、ドイツ以外の入門者向けのワインを拾って経験値を上げていきました。

補足

今では、ドイツ=甘口白、というイメージはほとんど払拭されているのではないかと思います。しかし当時は、少なくとも私が入門書で知り得た情報の範囲では、完全にドイツ=甘口白でした。

ドイツワインは糖度を基準にした格付けが圧倒的に有名なことと、最上のものはブルゴーニュと並ぶほど非常に高価なため、入門書が甘口にフォーカスするのはやむを得ないですが、辛口の白や赤にこそ愛好家が日常的に楽しめる美酒が存在し、また何年か経ってからドイツに戻ってくることを付記しておきます。

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