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属人化と言う勿れ

属人化ってなぜ発生するの?

属人化。特定の人間しかその仕事ができず代替の利かない状況。

属人化はいけない。誰でも同じことができるようにしなければいけない。なるほど言い分はよくわかります、 ただ、本当にそうですか。

自分の担当の仕事をわざとわかりにくくしている人がいます。見苦しいですね。でも、仕方ないこともあります。誰でもできるような仕事をしている人を誰が評価します?それがわかっているから属人化しているのです。自分の立場を守りたいがための行動です。

では、なぜこんなことが起きるのか、役職者が継承システムを意識していないとこうなりやすいのです。


なったのではなく許してしまった

属人化になったのではなくそれを許してしまったのです。適当に担当を割り振り、状況を見ながら配置を変え絶えず全体の質を維持できる意識が必要です。

  • 仕事の質が落ちると思って変えなかった。

  • 仕事が増えると言われる。

社員の仕事にステージを意識して、担当を割り振ることが大事です。昔のことを言うと年寄りの「昔はよかった」話と思われそうですが、かっての日本の会社には、継承システムが存在しました。

新人の時代から、注意深くステージを意識するように指導されました。

例えば、新人の教育係は常に二年目の社員の担当でした。自分自身もまだ習熟できていない状態で後輩を指導するのは、大変です。ただ、人を教えることは教える側も勉強になります。後輩の質問に答えられず、恥を忍んでそっとベテラン社員に質問に行ったこともありました。ここでやってはいけないことがあります。

  • とにかく言われた通りにしろ。

  • おれは、こういう風に聞いた。

  • 自分で考えろ。

もう、これは指導ではありません。こんなことを先輩に聞かれようものなら、一気に評価がさがりお説教です。

担当業務をもらったら、前任のやっていたことを早く理解すること、自分の身につけること、後継者を育てることがミッションです。これがあるがために、一定の水準まで来たら次のステージと言う意識ができるのです。
 昔は、これが評価の軸になっていました。このことを役職と社員で共有できていたので、属人化して自分を守る必要などないのです。

自分で仕事を抱え込んで、他人に渡せないようにするなんて典型的に仕事のできない人でこれが属人化です。

なぜ減らないのか

仕事を抱え込んでいる人間にそれが評価の対象にならないことをわかってもらうことです。これを説明せずにやれ見える化だの、標準化だの、マニュアルを作れだのと言っても面倒くさいし、完成したら仕事を取られると思えば、手をつけたくないのは当たり前です。

評価の軸を明確にする必要があります。流行の成果主義が邪魔をしています。 個人の成果が基準なら他の人間にできないことは成果になってしまいます。誰も継承など考えません。

担当している業務に熟練し、専門的なスキルから新しいやり方を考案するとともに、手順を整理し標準化し、組織全体のパフォーマンスを底上げする。これこそが評価のポイントなのですが、個人の努力に任せると言って業務改善提案の報奨金なんかでごまかすことが多いです。

 「属人化をなくせ」だけをスローガンにすると業務の質を下げて誰にでもできることしかしないとか言い始めますよ。

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