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『おかあさん』と呼ばれた日

息子が急に

「これからママのこと、おかあさんって呼ぼうかな。」

と言い始めた。2021年─冬─

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我が家の3きょうだいは全員、お喋りができるようになってから私の事を『ママ』と呼ぶ。

私自身は、自分の母親の事をずっと『お母さん』と呼んでいるので、違和感がなくも無かったが、『ママ』と呼んでくれる我が子がかわいかったので、特に訂正せず過ごしてきた。

2年程前、ご近所のお友達で、小学校に上がると急に『ママ』から『お母さん』へと呼び方が変わった男の子がいた。そのお母さんの話によると、『とくに私が呼び方を変えてって言った訳じゃないんだけど、子ども自身が呼び方を決めたみたいだわ~』との事だった。ほえーなるほど。興味深い。

そして現在。

うちの小1の息子は、小学校で折り紙にハマっているらしく、家でも4色のカラフルな折り紙を張り合わせて大きなアサガオを作っていた。

「◯◯(友達)と作ろうって、約束したんだ」

と言いながら、息子はアサガオ作りに苦戦していた。いつもなら私に「教えて~」と頼ってくる所だが、「動画でアサガオの作り方を見る!」と調べたりして、何とか自分の力で作りあげた。息子は自分で作ったアサガオを見てニコニコしていた。

そうか、友達と約束したから自分の力で作りたかったのか。ふと成長を感じる。

翌日、できあがったアサガオをクリアファイルに挟んで学校へ持って行った。友達と見せあうのかなぁ、と想像したら私も嬉しい気持ちになった。

また別の日、なにやら折り紙の裏に手紙を書いていた。

息子「見ないで~」

私「はーい」

友達にあげるのかな?
未だに息子は朝起きると「学校行きたくない…」と泣くものの、学校に行けば仲良しの友達と楽しんでいるようで安心した。

そしてまた別の日。

「はい!ママにあげる!」

いつぞやのカラフルで大きな折り紙のアサガオが封筒にくっつけてあった。

そして封筒の中には手紙が入っている。

おかあさんへ

おてがみです。
いつもごはんをつくってくれてありがとう。
そうじしてくれてありがとう。
うんでくれてありがとう。
いえをかってくれてありがとう。

息子より

ナニソレーーー

えっウソ完全に予想外。~やられた!!!

友達と、折り紙で何を作るか相談して、手紙も書こうって決めて、封筒まで手作りで。2人で数日間かけて、コツコツ作ってくれていたのか…。と思うと心が温かくなった。ていうか

か、、、かわいいっ……(語彙力消失)

そして、目に飛び込んでくる『おかあさん』という文字。何だかびっくりした。

『おかあさん』。今までずーっと『ママ』と呼ばれ続けてきた私には、新鮮な響き。

「手紙におかあさんって書いてくれたんだね。嬉しい。」

と素直に伝えてみた。すると息子は

「じゃあ、おれ、これからママのこと、おかあさんって呼ぼうかな。」

これまた急展開。

よくよく話を聞いてみたら、一緒にアサガオと手紙を作っていたお友達が、『おかあさん』と呼んでいるらしく、大好きでちょっぴり憧れているその子の真似をしたいようだった。

「いいよー!おかあさん、嬉しい!」

と私が答えると、息子はニヤッと笑った。

こうして息子の『おかあさん呼びチャレンジ』は始まった。

*****

息子「ママ~!…あっ!おかあさん」

私「(笑)はーい」

*****

息子「ママ~!!」

娘「おかあさんじゃないの?(半笑い)」

息子「あっ…!おかあさん!」

私「wwww」

※ちなみに娘は私を『ママ』と呼び、特に変える気はないらしい。(笑)

*****

息子「マ…!じゃない!おかあさーん!」

私「はぁーーーい!」

*****

数日たった今でもチャレンジは続いているようなので、息子も本気で呼び方を変えようとしているのかもしれない。

めちゃくちゃかわいくて、おもしろい。

もしかしたらまた途中で『ママ』に戻るかもしれないけど、今のこの貴重な(?)瞬間を覚えておこうと思った。

いつか息子が大きくなって、
低い声で大人っぽく

「かあさん」

なんて呼ぶ日が来るのかしら。

お母さんは、そんな日を密かに楽しみにしているのですよ。(笑)

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