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色彩事典 1月 黄みの赤:緋色(ひいろ) / スカーレット 


  日本では、欧米よりも1月1日という日を重んじる習慣のせいでしょうか、クリスマスの翌日から街のディスプレイは、新年を迎えるための飾りつけに一変します。洋風のディスプレイが一夜で和風になるのは興味深いものです。

ここで用いられる色は、西洋的なベルベットを思わせるワインレッドではありません。

日本的であり、そしてめでたさを表現する色はなんといっても緋色です。


 そもそもは茜(あかね)草を原料として染め出された色ですが、現在の茜色として知られる色とは異なり、火のような強く鮮やかな赤です。鳥居や還暦のお祝いのちゃんちゃんこ、祝儀ののし、漆の器など、おめでたい席にはお馴染みの欠かせない色です。

英名のスカーレットは、カーマイン(エンジ虫)で染められた布を意味する中近東の言葉が由来といわれています。

 かつては「火色」、「思ひ色」などとも書かれたこの赤は、

積極的な感情や活動の色です。


 新年の決意や意欲を鼓舞するのにまさにふさわしい色ですね。

 ただ、 刺激が強く、その分疲れやすく落ち着かない色でもあるため、小面積であしらうことをお勧めします。
 例えば初仕事のネクタイやハンカチは、赤い模様が入ったデザインを選ぶとか、その程度でよいのです。

 生活空間では、南天など赤い実のついた小枝をコップに挿したり、和紙を裂いてコースターやランチョンマットに利用したりすると、手軽に正月らしい雰囲気をつくることができます。
(和紙を裂くときは、裂きたい部分を水で濡らした筆でなぞると自然な切り口になります)


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