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<新>科学(医学、薬学、心理学)から見た経済:常識と非常識(2020年12月28日号)

(1)先延ばしすることは悪?

多くのビジネス啓発本、ブログ、その他のネット情報において、「先延ばしする人の特徴とその改善方法」、「先送り癖を治す9つの克服法と原因 」、「すぐやる人に変わるために ~先延ばし癖克服法」などなど、多くが先延ばしに否定的な意見、情報が目立ちます。

しかし、先延ばしは果たして悪いことでしょうか?

確かに自分だけの問題ではなく相手があること、例えば、医療の世界で目の前に瀕死の患者がいる時に外科医は当然、先延ばしすることは許されません。

また、自動的に期限が決まっているイベント(境界条件)、例えば、受験などは、林修先生の言う通り、「いつやるの」⇒「今でしょ」になりますね。

さらに、認めるかどうかは人それぞれですが、誰しもがやるべきことを後回しにする傾向があります。ただし、後回しにする際には「その間に何か他のことを済ませる」ことが大切です。

デビッド・アレン氏が著書「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」(原題:Getting Things Done)で提唱した生産性向上システムがあります。

アメリカのアレン氏は、「何もやる気にならない時でも、エネルギーも頭も使わずにできる作業のリスト」をつくっておくよう勧めています。

例えば、散らかっているデスクトップ(本当の机であれ、PCのデスクトップであれ)にある大量のファイルや書類を片づけた方が良い時期かもしれません。

では、頭を使わない作業のリストが必要なのはなぜなのでしょうか?

 それは、誰でも「作業を後回しにしている間にやること」が必要だからです。

①後回しにしてしまうのはなぜ?

ある種の作業を避けてしまうのには、次の5 つの理由があるのです。

a)単に怠け者

b)寝かしておくことでもっと効率的な方法を考えている

c) その作業の始め方がよく分からない。あるいは、その作業を始めることに不安を感じている

d)ミーティングやアポなどがあり、その作業に本格的に取りかかる時間があまりない

e)厄介な作業をひと通り終えたばかりで、休息を必要としている

あるいは、心理学の教授Devon Price氏は理由をこう説明しています。

心理学の研究では数十年前から説明がついているのですが、やるべきことを後回しにするのは、ある種の職務遂行に関する問題が原因です。決して怠けているからではないのです。

気にかけているプロジェクトを始められない時はたいてい、やってみても「十分」なものができないかもしれないと不安を感じているか、最初に何をやるべきかが分からないかのどちらかです。

それどころか、やるべきことを後回しにするのは、その作業が重要で、上手くやれるだろうかと気にしている場合の方が多いのです。

つまり、終わらせなくてはいけない重要な仕事があって、それを上手くやり遂げたいと思ってはいるものの、先にあげたいずれかの理由で、すぐには取りかれない状態なのです。

(2)実例

①数学者の例

例えば、b)寝かしておくことでもっと効率的な方法を考えている・・の実例は、天才数学者などはこの好例で、他の人間がチマチマ計算している時に、一発で解く方法を考えている場合です。知恵を使う為に休んでいる例です。

②議会の例

日本の議会が二院制(衆議院・参議院)になっているのも、これは性急に判断することを避けて熟考して物事を決める必要があると考えて導入しています。

逆にこの二院制の逆は一院制ではなく「独裁制」です。

1人の決定(気分)で決まるのは、非常にスピーディーで良い面もあるのですが、逆に間違えてしまうと無限の危険があります。

それを避ける為に二院制があります。

よくコロナ対策で中国の政策を絶賛するコメンテーターがいますが、一見、スピーディーの良い面ばかり主張して無限の危険性は見ていない方が多いようです。ここでは誰かは言いませんが。

③動物の脳

人間の脳は二院制で野生動物の脳は反射的に考えますので独裁制です。野生動物は好物の餌が落ちていれば直ぐ飛びつきますが、人間は(人にもよりますが)普通は誰かが食べているのを見て(ある意味毒見をさせて)から食べます。これはすぐやらないことのメリットを示しています。

また 暫定で決める=気分 というシステムもあります。

すぐやらないといけない事(境界条件があることだけ)すぐやりましょう。

(2)起業した会社は必ず上場しないといけない?

これも夢や常識のように語られていて、「創業者にとって夢の上場!」、「上場は"夢"じゃない! ベンチャー企業に開かれた市場」などの事例が多数挙げられています。

しかし有名な都市デベロッパーであり不動産会社の森ビル株式会社(俗称:港区の大家)は非上場です。

この会社の区分は「事業家bot」さんによると「集めると高くなる」商売の(土地の)モデルです。

逆に分けると高くなるモデル(肉、野菜など)は次回以降に載せるのでここではスルーします。

狭い土地であれば2階建ての民家しか建てられないが、広大な土地を集めれば50階建てのビルが建てられる。

つまり48階分は生み出されるキャッシュフローが増大することになります(ここでは土地の行政区分は無視してます)。

再開発事業は長いタイムスパンが長い事業である為、短期での収益性を株主(投資家)から求められる上場には馴染まないものであるからですね。

この記事は引用とは別に

金儲けのレシピ(著者:事業家bot)Amazon audibeleの内容を参考にしています。

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引用:

1.ライフハッカー[日本版](後回しは時間の無駄ではない?あえて仕事を先延ばして生産性を高めよう)

2.YouTubeチャンネル「中野信子◆物事を後回しにするクセの原因」

3.意外にも上場してない?非上場を選ぶ超一流の大手企業12社 – ビズパーク

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