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真っ暗な未来を手探りで考える--転職編【双極性Ⅱ型寛解の為にやったこと記録6】

こんにちは、10年以上自意識が「双極性障害者」に埋め尽くされていたのが、最近あまり意識しないで生きられるようになったので寛解したということにしているたまです。

さて、今まで病気によって傷付けれられて来た自尊心や無力感に歯止めをかけるTIPSなどを紹介してきましたが、正直言ってそういうその場その場の対処法だけで寛解できるとは個人的には考えていません。

ただ、そういう方法で少しづつ時間稼ぎしながら気力をためて、一つずつ、自分が今いる良くない気がする環境を変えて、試していくことが一番大事なんじゃないかと思っています。

最初の記事でも「現在進行形でストレスの原因を抱えている人はまずそこから逃れるのを第一としてもらって、落ち着いて自分のペースを守れる場所に辿り着いたのに、それでもなおずっと病気が治らないという人向けに書いてる」ことをお話ししていますが、

今回もそういった人たちに向けて、躁鬱の波に振り回されて未来への希望なんて何もない状態の中で、最善と思える方向へ進む足掛かりにした発想と、その過程の道のりについて書きたいと思います。

基本的な方針は今までと同じ

さきほど「今まで上げた対処法だけでは治らないと思う」と書きましたが、これから話すこともベースは「対処法」たちと同じです。

フェーズ1:自分が何をしたいのか(したくないのか)を見極める

フェーズ2:自分が不得意で苦痛なことを日常から減らしていく

ゴール:脳が回復のために使えるエネルギーが確保される
    =>勝手に良くなる

簡単に言うとこのスリーステップ

今までの記事も、マインドフルネスで自分と向き合ったり、負の感情から少し距離を取ることで疲れを減らそうという話だったでしたよね。

あとこのステップを意識して繰り返すことで自然に自己効力感も上がる良いサイクルに入れるという話でもあります。

今まで書いてきた記事は、この記事でこれから話す極性Ⅱ型を克服できた自分の行動を下支えする発想についてまず説明したかったからです。

それをまず知ってもらわないと、自分の治った理由を書いたところで単なる自分語りにしかならないと思ったので。

病気だった自分を忘れないためにも(あんなに苦しかったのに、どんどん忘れて行ってしまう、脳は凄い)
自分の躁鬱に対して良かったと思う人生の選択について、書いてたらクソ長くなったので今回はとりあえず「転職」に話を絞って書いていきます。

いや、そんなん興味ないよという人がロングロング文章を読まなくて済むように、以下で話す私の決断ポイントをここで上げます。

1. 「周りが易々と出来ていることが自分は出来ない」という無力感を職場で感じている人には適性を考えた転職を一度考えてみてほしい

2. 仕事や将来設計においてやりたいことが特にない時は、「やりたくないこと、出来ないこと」から考える。それだけでずっと気力の節約になる。

3. 「耐えられなくはないけど苦手…」くらいに感じてる作業や対人関係は、離れてみると思ってたのの5倍くらい無理してやってたから、多分今の辛さを過小評価しない方が良い

4. 自分の場合、消去法で選んだ仕事だけど、頑張りが評価に繋がりやすいので、だんだん本当に好きになってきている。初めからやりたい仕事が無くても大丈夫


1.2についてはpenguin!さんのこの記事以上の説明は書けないと思うので笑、ピン!と来たらこちらも読んでみてください。

あと下の本にもまた別の角度から、「比較的得意」な分野を見極める方法が1章使って説明されています。おススメです。


事務職からWeb系へ

結論から言うと、27歳の時5年務めたExcelなどをカチャカチャやるタイプの典型的な事務職からWEBデザイナーに転職しました。そして今は本格的にプログラマーに転職するためにポートフォリオ作品作りを進めています。

ただ別にエンジニア系への転職をお勧めしたいわけではないです。

いや、正直明らかに人種の偏りが「そっち側」にあるので発達障害傾向の強い人にはお勧めしたいですが。。

傾向として、特に転職組は「プライベートの時間を使った勉強当たり前」な雰囲気がある業種なので、元々趣味だったという人でなければあえてお勧めはしないです。

ただ私は転職を決める27歳まで一度もプログラミングらしきことをした事はありませんでした。趣味のWebサイトすら作ったことなし。デザインの勉強したこともなし。

一応そういう結構大変な業界だというのも知っていました、身内が務めているので…

ではなぜ転職を決めたかというと、一重に

「もう今の仕事無理!!!!!」という結論が出たからです。

事務ってとにかく評価のベースが「減点方式」なんですよね。ADHD傾向があってうっかりミスの多いわたくしには胃が痛い限りでした。そんなに怖い人いない職場だったんですが、それでも間違えないように注意するだけで疲れ果ててしまう。

そのうえASD傾向もあるので、お客様が来ただの早くこれ処理してだのどんどこ入ってくる突発的なタスクに上手く対応出来ず、つかえねー奴として総務のお姉さまに睨まれていました、ハハハ

あとその他のファクターとして、その会社の女性事務員は役職が上がることは殆どなくて、ここにいる限りはこの給料と考えると、仮に結婚などせずに一人で生きる可能性を考えるとお先真っ暗だなと思ったのもあります。

というわけで、もうここにいる必要全くないなという結論が出ました。

でもだからと言ってもう事務はやりたくない、そうなると他の業種ですが、

辞める数年前からわずかに「やりたいこと」までは行かないですが「事務よりはまだやる気が出る事」について目星がついていました。

それはExcel VBAです。いわゆるExcelマクロというやつですね。

元々は一時期野球にハマって⚾定時カッキリに帰りたいという熱い気持ちで勉強を始めたのですが、色々マクロで自動化してみると、うっかりミス対策にもなると気付いたし、なにより単に事務やってるよりマクロ組んでる時の方が全然楽しい。いや楽しくはないけど、まだやる気が出る。

しかしExcelのは本当のプログラミングとはちょっと違うし、いきなりプログラマーになるのは難しそうというのが正直なところでした。

なので、他と掛け合わせたらどうにかなるかもしれないと考え、絵がまぁ得意といえる程度に描けたのでWebデザイナーを目指すことにしました。

その当時から実際には絵の上手さとデザインって別の能力だろうなとは思ってましたが、他に活かせそうな能力もないし背に腹は代えられない。

こうしてつぎはぎの、どうにか少ないモチベーションと現実性を最大化するための消去法で転職に向けて活動を始めました。

そこは本題じゃないので転職の勉強とかは以下略~~~(勤めながら半年、辞めて半年勉強して何とか転職成功)

転職した結果

現在転職後2年半くらいですが、結果的には大正解で、以下が個人的に躁鬱に対して転職して良かったと感じるポイントです。

・大体成果物にだけチェックが入り、作業過程をあまり問われないので仕事中始終緊張していなくて良くなった

・休憩や出勤時間が一律ではないので、時間を気にせず集中したり休憩したりできる環境になった

・苦手で対応できないことに対して怒られたり注意されたりすることが減って、自己肯定感の目減りが少なくなった

・電話に出なくて良くなった(これが涙が出るほど嬉しい)

躁鬱というより発達障害に対する状況改善なんですが、私の場合恐らく発達障害の二次障害としての双極性なので、そこは勘弁してください。

とにかく全体通して一番良かったのは、自分は他人と上手く合わせられない、どれだけ気を付けても要領良くできない、という長年仕事中にジワジワ自己肯定感を削いでいた感覚を大分減らせたことです。

特に事務作業で課題だった電話対応(メモと会話の同時並行が苦手)、来客対応(今の作業に集中してしまい気付かない)、並行タスク(常時5種類くらい→2~3種類に)をメイン業務でやらなくて良くなったことで、本当に仕事中の気分が楽になりました。

なので今の仕事で、「周りが易々と出来ていることが自分は出来ない」という無力感を常に感じてるような人は、「やりたくない・出来ない業務の比重が低い業種」という方向性で転職をお勧めしたいです。

振り返って改めて思うのが、「脱出出来て初めてどれだけ苦痛だったか分かる」ということなんです。

住めば都といいますが、その環境の中にいる時は適応能力のお陰で、あるていど「負担を感じない」状態になれます。

しかしその環境に慣れたとしても、表層の感覚が鈍くなるだけで、「負担が無くなる」わけではないんだなと実感しました。

『適性』について考える

適性がある、というと「才能がある」と同じような意味に取られるかもしれませんが、「才能」とは周りと比較して優れている点です。一方「適性」は自分の能力の凸凹のなかで、比較的求められる能力と自分の凸が一致している部分だと考えています。

上で「比重が低い」という表現をしましたが、例えばザックリ事務処理が苦手といっても世の中に事務処理を全くしない仕事は滅多にありませんよね。これは「接客」とかも同じだと思いますが。

そんな時に、どうしてもできないことがある人は「加点方式の職業」に就くと良い、という発想が上に挙げた本に書いてありました。

つまり営業成績を上げてる営業マンは事務処理が雑でも事務員さんが多めに見てくれるし、コミュニケーションが終わってるプログラマーも期日通りに納品出来れば周りがそれ以外をサポートしてくれます。(限度はありますけどね)

求められている役割に対して「出来ないこと」の比重が低ければ、他で補うことが出来るんです。

当たり前の事を言ってるかもしれませんが、実際に転職して評価軸を変えると、本当に「人からの評価」はコロッと変わるものだなと実感しています。

消去法から積極的な選択へ

最初に書いた通り、元々デザインに興味があったわけではなかったので、実務で最低限のプログラミング技術を身に着けた今は本格的なプログラマーに転職を考えています。

次のキャリアはもっと面白くなるだろうと、根拠のない展望が持てるのです

そのためにここ数か月はポートフォリオ(実績)となるアプリの作成などをしています。休日は一日中やってる時もあります。

自分でも驚くのですが、休日にほとんど仕事みたいなことをしていても、それほどは疲れないのです。もちろん疲れたら休みますし、普通の元気な同年代よりは疲れやすいと思いますが。

やりたいことと行動が一致しているとここまで疲れないものなのか…と

過去の老人並みに疲れやすかった自分と比較してみると本当にビックリします。

本当にあの時転職に打って出て良かったなぁと思う限りです。

終わりに

ここまで読んだ方は、運が良かったんでしょ、元々能力があったんでしょ、と思われるかもしれません。

その可能性は否定はしませんが(特に運が良かったことについては)、事務をやってた頃はここまで仕事の内容が精神に与える影響が大きいとは思っていませんでした。

激務じゃなければそんなに精神に悪いこともないだろう、普通に趣味もあってそっちがあれば仕事は別に楽しくなくても良いでしょ、という感覚で。

それに事務も全く出来ないわけではなく、それなりに楽しみを見つけてやってるつもりでした。

だから、現状維持でやっていくという選択肢もあったんだと思います。

思い立ったが吉日な性格なので勢いで決めつけて辞めちゃいましたが。

転職とは、もちろん誰もが取れる選択肢ではないことは理解しています。

でももしかしたら今、現状維持でやっていく選択をした昔の私のような人もいるかもしれない、そういう人に少しだけでも可能性について考えてほしい、と思ってこの記事を書きました。

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ここまで読んでくれてありがとうございます😊

次回は多分「一人暮らし編」です。

ちなみにエンジニア転職について何か聞きたいことがあれば、分かる範囲でお答えしますのでメッセなどドウゾ~👐


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