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私の本箱No.2 ~源氏がたり~

こんにちは。
今回ご紹介するのは、林真理子「源氏がたり」。

日本最古の物語は、令和の時代にあっても面白い。
輝くように美しい光源氏と彼を取り巻く女性たちの物語。
この物語を林真理子さんが現代風に甘美に描き出したのが、この「源氏がたり」です。

この「源氏がたり」は六条の御息所の語りをベースに話が展開します。六条の御息所といえば、原作「源氏物語」で誇り高き東宮未亡人ながら、光源氏への思いの強さのあまり、光源氏の想い人・夕顔を呪い殺してしまうという、恐ろしい女性として描かれていました。
「源氏がたり」でも、六条の御息所は随所で自尊心の強さと光源氏への思いの強さをのぞかせています。
でも、それだけではない。次々に源氏の君のとりこになっていく女性たちに共感し、共に憐れむ、魅力的な女性として描き出されています。

古典は苦手という方も、現代小説のように楽しめ、のめり込める一冊です。


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