20240728 虫と海
朝、起きてすぐに仕掛けていたライトトラップを見に行った。オスのカブトムシが2匹地面に落ちていた。そのすぐ近くにはクルマスズメとキイロスズメもきていた。あとはたくさんのカナブンとメイガのような小さな蛾たちである。昆虫たちにレンズを接近させて写真を撮っていると、ライトから少し離れた雑草の上に蛾が止まっているのを発見した。前翅が鮮やかな黄色に縁取られていて、とても斬新なグラフィックだった。
まだ起きてこないふたり目の弟を除いて、家族で朝ご飯を食べた。そのあとすぐにひとり目の弟はソファーで眠ってしまった。撮影した写真を見返していると先ほどの蛾の名前が気になったので、もともと自分の部屋があったブースに行って使っていた昆虫図鑑を引っ張り出し、調べた。特徴を照らし合わせるとその蛾はオオマエキトビエダシャクという種類であるということがわかった。図鑑を両手で開くのはすごくわくわくする感覚だった。
夕方、母とふたり目の弟と、車で10分ほどのところにあるスーパーに買い出しに行き、明日の昼ごはんの焼きそばや白くまを手に入れた。19:00すぎ、夕食に生姜焼きを食べたあと、日が沈む海を見に母が車を走らせてくれた。帰って行く釣り人とすれ違い、砂丘を登るとピンクや紫色になった空が見えてきた。連れてきたもうのリードをはずし、僕も写真を撮りながら歩いた。袋を持っていったけれど暗くて漂流物拾いをすることはできなかった。ストロボで砂浜を照らすと白い靄のようなものが写り込んでいて、それは波の細かなしぶきだった。肌では感じられないのに、確かにそのしぶきは空中を舞っていた。次第に光を失っていく視界も相舞って、そこは知覚が揺らぐような空間になっていた。
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