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1202,見えない顔

 モデルさんを見ながら初めて顔のパーツをつくっていく。自分の手で顔がどんどん変わっていくというのがおもしろい。先生がひとりづつを見て回って、わたしの頭部は「ビデオドローム」みたいに前後に引き延ばされたプロポーションになってしまっている、と言われた。そこから躊躇せずプロポーションを合わせることに集中した。顔の側面からへらで切り込みを入れて、顔面を剥ぎとった。またのっぺらぼうのようなすがたである。

 「妻は告白する」に引き続き増村保造の作品「刺青(いれずみ)」を鑑賞。カメラワークと構図がとにかくすばらしかった。2人の人物が画面の中にいるときは、2人が画面の右端か左端にいて、余白が多くとられていた。そしてまたしても結末にかけての流れがスマート。

 帰り道はその考察で頭が満たされていたが、散歩をしている多くの人と犬のペアを見た。お年寄りが多いように見えて、体力的にだいじょうぶなのだろうか、と思うようなようすの人もいた。お互いのエネルギー量が釣り合っていない感じで、人が犬に引っ張られている。

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