シニア起業のリアル【9】 ちょっといいパン屋さん
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今回は、ちょっといいパン屋さんというお話をしてみようと思います。
「Weissのパンが買えたので今夜はパスタとワインにしよう」。そんな暮らしを楽しんでいます。なんか気取って聞こえるかもしれませんが、独立起業してからそんな過ごし方を楽しむ日ができました。気持ちの赴くまま、気候や気分で暮らしをアレンジできる。そんな軽やかな生き方をしたかったというお話なんですが。。。
Weissは高岡市にあるハード系のパン専門店。世の中、菓子パンが100円ほどで買える時代にあって300円前後のパンを少量扱っている、かなり尖ったお店です。
店主の方はフランスで4店修行をされました。その内のアルザス地方というドイツ国境に近い所にある店での3カ月間が、とても大切な期間だったと言う思いから、その店の名前であったWeiss(ヴァイス)を名乗ることにされたのだそうです。
Weissは店主の苗字で、日本で言う山本さんのようなポピュラーな名前だそうで。フランスでありながらドイツ語のような響きの言葉は、国境が近いことを感じさせてくれますね。
店内にモノクロームの写真が小さなフレームに入れられて2枚飾ってあるのですが、そのうちの一枚が、修行させてもらったWeiss家の娘さん。あどけなさと品の良さが伺えて、お店の雰囲気を演出する抜群のセンスを感じます。
私のお気に入りは、ナッツやオリーブが入った、少し硬めのパン。これをスライスして少しだけトースターで炙ると、なんとも言えない香ばしい香りが楽しめます。これだけでもワインが進むのですが、少しパスタかスープがあれば完璧!硬めのパンを奥歯で噛んで味わいながら、赤ワインをいただくのは、至福の時間です。
日本人が慣れ親しんでいる食パンや菓子パンとは全くの別物で、日本の地方都市に居ながら、ヨーロッパ暮らしを楽しんでいるような、夢のあるアイテムだと思っています。
単に、Weissのパンを味わうだけではなく、私はこのWeissのような経営をしたいと、勝手に思っています。シンプルに言うと「少し高いけど、さすがと言わせるサービス」を実現したいと思っています。
弊社talkONEのサービスは、クライアントによってはやや高めの料金に見えるかもしれません。起業1年目から生意気だと思われる向きもあるでしょうが、内容に自信を持って提示しています。なので、金額的に折り合わず、減額要請や、低い額を提示をされる場合、お断りをするケースが実際にあります。
大事なのは、そうまでしてでも弊社のサービスを受けたいと思って頂けるか。社員研修、講演、司会というご依頼に対し、期待値を超える満足度をご提供出来ているか。自問自答の毎日ではありますが、自分を奮い立たせて仕事に臨んでいます。
そんな中、そこまでしてでも買いたい、そこまでしてでも夕食を楽しみたいと思わせるWeissは凄いと、私は経営の面でもリスペクトしています。
Weissのパンは、決して万人向けではなく、好きな人が「選んで」買いに来る商品で、私もそうです。今夜はWeissのパンとパスタでワインを飲もうか、そんな気持ちになった時、定休日である月火でないことを確認して、なるべく早い時間に買いに出かけます。店の前には、決まって手入れの行き届いた上品な車が停まっていて、Weissのパンでいい時間を過ごされたいというお客様がお見えです。
Weissはこれと言って広告宣伝をしているようには見受けません。あくまでも品質と満足感がファンを広げ、選んでくれたお客様だけが自然に残っていく。そんなお店に見えます。
翻って、自社のサービスはクライアントに、そのようなワクワクを与えられているだろうか。他ではなく木下に来て貰いたい!と熱望されるほどであろうか。残念ながら、まだまだその域には達していないと自覚しているところです。
お客様を惹きつけ、愛され、望む客層が自然と形成され、持続的な売上を上げていく…身近にある目標として、これからもリスペクトの気持ちでパンを買わせていただきたいと思っています。
今回は、ちょっといいパン屋さんというお話をしてみました。
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