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シニア起業のリアル【7】 名刺コミュニケーション

2024年も7月に入り、独立して丸3ヶ月が経ちました。有休消化中から始めた営業活動も半年となり、自分の価値の提示にも、少しは慣れてきました。お陰様で仕事は順調だと感じています。talkONE 株式会社としての名刺を先ずは1000枚作り、お会いする方々にどんどん配り続けているところですが、受け取った名刺の数を見るとザックリ300枚くらいは交換したのではないかと思います。なかなかのハイペースでしょうか。

世の中、デジタルデータで名刺を交換できる時代=フルデジタルになりつつあるとは言われますが、実際のビジネスシーンで私はまだデジタル名刺の交換を提案された事はありません。紙の名刺をごそっと入れた分厚い名刺入れを、やおらスーツのポケットから取り出し「ご挨拶させてください」と言いながら手元をもそもそしていると、相手の方も同様にもそもそしながら名刺を取り出し、まるで相撲の立ち会いのように、絶妙の間合いで名刺を交換します。

なんか、そんなアナログな儀式が体に染み付いていて、スマホをかざしてピピっと交換!っと言ったやり取りは、もう少し遠い未来のスタイルのような気がしています。

紙の名刺にしがみつくわけではないのですが、この名刺交換の儀式が、私にとってはとても大切な情報収集の手段であり、コミュニケーションの場面になっています。皆さんはいかがでしょうか。ビジネスマナーを教える先生に言わせると、私の名刺交換はかなり雑で、アウトローなスタイルでしょうが、起業し自分の会社を背負って行う名刺交換を、私はとても重要視しています。

talkONE株式会社の名刺にかけた経費は合わせて13,000円程度。1枚13円のPR費という計算になります。仮に一度の集まりで30枚配ったとしたら390円。今どきコンビニでおにぎり2個分程の額ですね。この、1枚13円の紙がどの程度威力を発揮してくれるのか、考えてみましょう。

名刺の効果は、自分を伝える事が半分と、相手の情報を手に入れる事が半分。自分を伝えるという面でいうと、talkONEへのお問い合わせの入口になる効果が期待できます。業務内容や携帯番号、本店の住所などが書かれているので、連絡をいただくための情報が記されています。

一方、相手の情報を受け取ることで得られるメリットもあります。メールしたり、面識の有無を確認したり、それらの履歴を管理することで、ビジネスチャンスの拡大に役立ちます。

実は、私がお渡しするtalkONE の名刺にはいくつかの「引っかかる」ポイントがあります。

・代表取締役アナウンサーという肩書き
・本社が南砺市という意外性
・ロゴマークは公募したという今どき感
・地元砺波のデザイナーが制作

このいずれかに「引っかかる」受け取り手は結構多いですね。そこが会話を進めていくポイントになる!これこそが、私が実践している名刺コミュニケーションのスタート地点です。

「代表取締役 アナウンサーって面白い肩書きですね」
「あれ、お住まい砺波でしたよね。会社は南砺なんですか?」
「マイクと飛行機ですか。木下さんらしいロゴですね。ご自分で作られたのですか?」
「名刺のデザインもやられるんですか?」 などなど。

すんなり理解できないポイントが、一枚の名刺に散りばめられていて、会話の糸口に利用していただきやすくなっているのです。実は、制作を依頼したデザイナーさんからは「顔写真を入れた方がいいですよ」とアドバイスされていました。でも写真よりも「引っ掛かり」の方がインパクトがあるのではと思って、提案をお断りしてまで、こんなフックをつけてみました。

名刺交換をするということは、ほとんどの場合「初めまして」となるでしょう。稀に立場や勤務先などが変わった場合に「改めまして」と交換するケースもありますが、いずれにしても新規の情報を伝えたり頂いたりする場面で、名刺交換を行います。

そんな時、まだ関係性が深まっていないので、相手の業務内容や役職などについて、ゴリゴリに情報収集する事はあまりありません。どちらかと言うと相手の人柄や、食い付くポイントなどを見極めたり、共通の知り合いや境遇の有無などを探り合ったりしている事が多いものです。

また、初めましての場面で、気の利いた会話をするのが必ずしも得意な方ばかりではありません。そんな時、名刺に「ツッコミどころ」があると、手助けになるかなぁという思いがあります。当然私はそのツッコミを待ち構えているわけですから、持ちネタを存分にアウトプットし、自社のPRをさせてもらっています。

そう考えると、単純に名刺を交換して「はい終わり」ではもったいなくて、交換時の短いコミュニケーションタイムに、どれだけの情報収集が出来るかが重要だと分かりますよね。私にとって名刺交換は

・自分の情報を受け取っていただき、相手の情報をいただく場面
・名刺にツッコミどころを散りばめて、会話を円滑にするツールとして活用
・相手の人柄や関心のポイントを掴む、リサーチの役割

といった所でしょうか。データの収集に留まらず、交換する時を目一杯活用して、ビジネスの機会を広げていきたいと意気込んでいます。そのためにも、まだまだ紙の名刺を手渡す儀式を続けたいと思っています。

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