人の集中力は凄まじい
人は集中力があるようで無いとよく思っている。
一つのことにどれだけ集中できるかどうかが、優れた人物の条件のように思われている。
スポーツ選手なんかが、そのいい例だろうか。
では、その他大勢の人たちには集中力がないのだろうか。
そんなことはない。
僕も含めて、多くの人間は実に集中力がある。
一瞬にして、そのことに向かって集中力を発揮し、その他のことが目に入らなくなっているではないか。
それは、ネガティブな感情だ。
何かあると、すぐに過去か未来に思考が向かって、後悔やら不安やら心配やらで頭が一杯になる。
何という集中力だろうか。一度そこに集中すると中々解けることがない。
かなり多くの人が、とてつもない集中という力を持っているのだ。
ただ、その使い方が間違っているのだ。
包丁もちゃんと使えばおいしい料理ができるが、使い方を間違えれば怪我をする。
なぜ、ここまで将来の不安や心配に対しては一瞬で集中できてしまうのか。
それは、あまりにも訓練を積んできたからだ。
小さい頃から、いろいろなところで聞かされてきた。
人生は甘くない。社会は厳しい。そんなことでは大変なことになる。
思考は常に過去か未来のどちらかに集中するよう、エリート教育が施され、度重なる訓練により、僕たちの思考は不安や心配に集中することに関しては紛れもないプロフェッショナルになってしまった。
でも、訓練によってそうなったのなら、同じ様に訓練によって今からでも少しずつ変えることはできるはずだ。
過去や未来ではなく、ただ今この瞬間に集中する。
たぶん、なかなかできないだろう。
これまで使ってこなかった筋肉を使うようなものだ。少し動かすだけで息切れはするし、あちこちが痛むだろう。
それでも、人は訓練を積むことで慣れることができる。
たとえ少しずつでも、僕たちはもう、不安や心配のプロフェッショナルから引退するべきなのだ。
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