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無敵の人になりたい

時折、こういう人がニュースを騒がせる。
刃物とかを、街中や電車の中で振り回し、誰彼かまわず、傷つける。
犯人はその人たちに個別の恨みがあるわけではない。
あるとしたら、「社会」に対してだろうか。

で、こういう人が出ると、ネットとかではこう呼ばれる。

無敵の人、と。

何も守るものがない。家族や社会的地位とか、そういうものを一切所持していないので、ある意味、何の気兼ねも無しに凶行に踏み出せる。

ここで、僕がなりたい「無敵の人」とは、
こういう人たちのことではない。

なぜなら、僕にとってはこういう人たちは、全然無敵ではないからだ。

僕の考える無敵の人とは、

『どんな時でも自分は大丈夫だと思える人』
である。

お金が無くても、健康でなくても、何があっても、それでも自分は大丈夫だと信じることができる。そんな人だ。

犯罪に走るような人は、自分のことを大丈夫だと思えなかったのではないだろうか。

色々なものを失って、自分の存在価値も無くなると思った。その不安や恐怖に潰されて、何とか自分がこの世界にいることを証明したかったのかもしれない。

だから、僕はどんな状況でも、自分は大丈夫だと思えるような人間になりたい。

で、それにあたってなかなか難しいのが、さっきも言った、何も無くても大丈夫と思えるか、というところだ。

やはり、人は自分の安心に条件を求めたがる。それはお金や友人など、自分が持っているものの数の大きさだったり、結婚しているとか、会社で地位があるとか、環境的な要因だったりする。

ここで紹介したいマンガがある。その中に、まさに無敵の人と呼べるキャラが出ている。

その作品は『ハイパーインフレーション』という作品だ。

この漫画は、自分の体からお札を生み出すことができるようになった少年が主人公の話だ。
(しかし、出てくるお札は全部同じ通し番号なのでそのまま使うとすぐ偽札とばれてしまう)

経済を題材にしたストーリーが展開されるのだが、この話の中にグレシャムという大商人が出てくる。

このグレシャム、行動原理が全て『金』である。

常に金の計算をしていて、儲かりそうな方向にすぐに舵を切る。

なので、儲かりそうなら主人公の味方になるし、もっと儲かりそうなら簡単に裏切る。

大切なのはとにかく儲けること、それだけ。
自分が贅沢をしたいとか、金を溜め込みたいとかは一切ない。
金を稼ぐのは、さらに金を稼ぐのに金を使うため、みたいな感じだ。

そんなグレシャムがある時、主人公と手を組むことになる。
だが、その計画は失敗。グレシャムは大借金を背負うことになる。

自分の人生を懸けた計画が失敗したことに消沈する主人公にグレシャムが掛けた言葉が、

である。

さらに続けて言ったセリフが、

なのだ。

このグレシャムというキャラ、金を稼ぐのが大好きだが、金を失うことを恐れていない。
(めちゃくちゃ嫌がってはいるが)

金という物が無くなっても、金を稼ぐという自分がいる限り、いくらでも稼げると心底信じて疑っていないのだ。

はっきり言ってこのキャラ、決して善人ではない。
何なら、金のためなら誰とでも手を組むし、金のためなら誰でもあっさり見限る。

それでもこのキャラは、主人公を食わん勢いで人気がある。

まさに僕が理想とする無敵の人だ。こうなりたいわけではないが・・・

このハイパーインフレーション、経済をテーマにしているので、おもしろくて勉強にもなるのでおススメだ。

ギャグのクセは強いので(作者の性癖というべきか)万人に受けるかは分からないが。

そんなわけで、いつでも無条件に、根拠なく自分を大丈夫だと思えるような人間になりたいものである。

その他の物語
https://note.com/tale_laboratory/m/mc460187eedb5

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