見出し画像

未来予測とデザイン 〜デザインは空間ではなく、時間を操る仕事に進化する

最近は時代変化が速くなってきている、 とかよく聞きますし、僕自身もプレゼン的にそう言ってしまうことがあります。しかし、これは見方によるのではないでしょうか。

デザイン(design)で大切なことは、時代変化を考えなければ『最適解を設計する』ことだと思いますが、テクノロジー、災害、戦争などの時間変化を考慮した場合、『その時点での最適解を設計する』ことになると思います。ちょうど数学で習った、多項式関数のあるX座標におけるY座標を求めるように、時代変化を関数のように見ることができれば、早い、遅いといった概念は存在しないはずです。

誰も正解は教えてくれない

多くの情報は、あわよくば発信者の利益になるような内容になっています。そもそも、誰も真実(未来)は分からない。けれども、自分で答えに少しでも近づくことができるし、現状の情報をもとにアップデートしていけば、今起きていることが未来にどのような影響を及ぼしかねないかも見えてくる。 

そうすれば、どれほど変化スピードが早まろうが、自分自身の人生が周りに振り回されることは無くなるわけです。

最も簡単な未来予測の方法

時代変化を予測しておくこと、つまりは未来予測を行うにはどうすれば良いでしょうか。

どのような突拍子もない未来予測も、
・前提条件
・最大の利便性
・技術到達スピード
で行うことができます。また、歴史を振り返るとより直感的に理解することもできます。

例えば、交通手段。
人類は徒歩から始まり、馬、鉄道、車、飛行機など便利な交通手段を獲得してきました。では、これからはどうでしょう?

これが意味するところを考えると、共通しているのは『あらゆる場所移動の到達時間の減少』と言い換えることができます。次に、到達時間の減少の行き着く先、テクノロジーの終点を考えていきますと、これは『ゼロ』です。ここでSF的な想像力を働かせるならば、トランスポーテーション、瞬間移動と言い換えることができます。

人類が、『これからも技術を進歩させ続ける』ならば、最終的にたどり着く技術は瞬間移動。その間も、人類は到達時間の短縮に勤しむことになる。

その間の技術で、すでに開発中のものを並べるだけでも、音速ジェット機、ロケット、リニア、ハイパーループ、などなどが考えられ、どこかの時点でこれらが活躍する時代があるということが言えるのです。あるいは、SF的に提唱されているものもあわせてみても良い。そして、それがいつ来るかは現時点の最高技術と到達目標を確認し、都度アップデートしていけば良いということです。

世界がどう変わっていくか?

テクノロジーに関しては、『スピード』という概念を他にも適用させれば、例えばコンピューターの計算速度(あるいはAIの処理速度)、デバイスの大きさ、ビルの高さ、再生医療の性能などについても、ある程度予想が可能です。

ただし、歴史を振り返ってもテクノロジーだけが大きな影響を及ぼしているわけではありません。

歴史に影響を及ぼすほど大きな出来事は、
・テクノロジー
・災害(自然災害・人災)
・戦争
のファクターが中心にあります。
では、各ファクターについてどのように未来予測すれば良いか、解説していきましょう。

テクノロジーについて

コンピュータに関しては、ムーアの法則が有名です。コンピューターの計算速度が毎年倍々なる。実際にはもっと早いかもしれませんが、重要なのは変化のスピードが、去年<今年<来年と加速していることです。去年のスピードで、今年を見てしまうと『速い』と感じてしまうのは当然のことです。

とはいえ、これらは数式的に予測が立つのでわかりやすいですが、iPS細胞のような全く新しい発明系はタイミング予測しづらいところです。近年はダークマター、宇宙線など、これまでの概念を覆す発見がいくつもあります。宇宙線なんかは、『わずか1グラムで地球が破壊されるほどの巨大なエネルギーを持つ』ということで、石炭・石油中心のこれまでの常識を簡単に覆してしまいました。

人類の科学知識は、まだまだ発展途上です。光速を超える物質はないとしながら、宇宙の膨張膨張スピードは光速を越えている。他にも、重力の仕組みも、素粒子がどうやって生まれたかも、ピラミッド建造方法も、月の誕生も、人類起源すら分かっていないのです。確かにこれらの謎は今は分からないですが、重要なのは解明されたときに何がもたらされるかということ。

仮説、例えば『反重力は可能である』としたときに、どのような未来になるか、その可能性を先に考えておければ、技術のブレイクスルーの先の未来を予見することが可能になります。

今後AIが人間の知能を超えて、未知の謎を一気に解決してしまう可能性だってあるわけです。まるでSF世界のようですが、もはや『まるで』といえない時代になっていますよね。そうすると、ワクワクした空想の想像力も重要になってくるかもしれません。

災害

例えば東京という街の変化を見ると、明暦の大火、関東大震災、戦災などで街が大きく変化しています。同じ災害を繰り返さないようにするためにインフラを再構築し、さらに災害は人口にも大きな変化を及ぼすため、人口が増えてくると建物の高層化、インフラ拡張を行なっていく。

人的被害の規模が大きいほどダイナミックな変化を遂げ、それが新たなイノベーションを生み出すハブとなっていきます。

戦争

まず、人類の歴史を振り返ると、テクノロジーが発展するほど、その規模が大きくなる傾向にあります。鉄器の発明、鉄砲、大砲、飛行機、原子爆弾と、徐々に『一歩間違えれば全てが終わりかねない』状態へと足を踏み入れることになる。とはいえ、なんの脈絡も無しに起こることはありません。

戦争がどう起こるかは、
・国民感情(世論)
・トップの判断(内外交戦略)
・歴史
である程度は予測できます。

トップに関しては、クーデターでない限りスケジュールと候補者が示されておりますので、それをチェックすれば良いです。だいたいはニュースやレポートで出ていますが、把握しておくと、ニュースでトップが変更された情報をキャッチしたとき、次に何が起こるか予測つきやすくなりますね。

未来予測をベースに、色々なアンテナを貼っていただければ、起こる順番で想定が変わることはあれど、最新情報から随時予測を修正することができます。これからの未来を、より楽しく過ごしていくためにも、ぜひ未来予測をやってみてください!


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?