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不便や問題が生み出すもの

日本人はとても優しく、人のことを思いやることができる。

それはお互いの関係がどうであるかによって大小はあると思う。

例えば、親子関係。
親は子に対して最大限の愛情を与えてくれるかもしれない。これは無償の愛とよく言われる。

恋人関係はどうだろうか。
大切なパートナーが困っているならば助けてあげたいと思うのは当然のことだと思う。

では、友人関係はどうだろうか。
こうなると、内容によっては許容できないと思う。

例えば時間や労力がかかるものに対しては「ご飯ご馳走してあげるから…」なんてお願いをしたことがないだろうか?

そして、最後に見ず知らずの人はどうだろうか。
仕事上の責任がある場合は一概には言えないかもしれないけれど、ここは義務や社会的マナーの上に成り立つのかなと思う。

こんなニュースを見た。
妊娠している女性が大型の家具を購入して届けられた荷物をせめて玄関まで運んでくれないかとお願いすると拒否をされたというものだ。

僕も日本人だし、手伝ってあげたいという気持ちが真っ先に浮かぶ。

もし旦那さんであれば間違いなく率先して運ぶし、友人であれば時間の許す範囲で手を貸せるだろう。

Twitterをみると、賛否両論出ているのだけれど僕はここに日本の今後、変わっていくべきものや可能性を感じた。

「手伝ってあげたい」
これはまさしく当たり前の感情だと思う。

レストランに行けば当たり前のようにメニューが運ばれて、お水もしくはお茶が提供されて、おしぼりが出てくる。

そして、注文が決まった頃合いになれば「ご注文はお決まりですか?」と伺いにくる。

ここまでの流れは日本では無料の場合が多い。
海外を経験すると、これがいかに高級なサービスであり、当たり前のことではないかがわかるはずだ。

もしくはチップを提供するべきものだ。
その文化のないアジア人に対して、そうしたサービスを行わないということもあるくらいだ。

話を戻そう。

宅配会社は仕事として、家まで家具を運ぶことは仕事として責任がある。

お金も得ていることだ。
しかし、そこから先は別のサービスとなるはずだ。

追加料金を支払って家の中まで配置をしてくれることもあると思う。

何が言いたいのかというと、日本は当たり前のハードルが高すぎる。
本来ここはサービスとして提供ができて、対価も得られる部分だと思う。

お隣のタイでも、レストランに行けばサービスチャージとTax(税金)を含めると17%もする。

日本人のこれまでの「おもてなし精神」からすると手伝ってあげればいいのに…と思ってしまうこともわかるのだけれど、

してくれたことに対して感謝して、お支払いをするというのはとても大切なことではないかと思う。

世の中のこうした小さな不便や問題があるからこそ、そこにイノベーションやチャンスが潜んでいると思う。

良心や優しさで手を差し伸べる日本人はとても素晴らしい。

しかし、それだけではいつか疲れてしまうかも知れない。

家族とかそういう中でやることならいいと思うけれど、海外での"それ"を知っていると、

宅配業者にそこまで求めてしまうのはかわいそうどなと思う。

最適解としては、日本風に言えば

大変申し訳ないのですが…

「そこから先に関しては別のオプションとして別料金を頂ければお手伝いすることができます。」

というような提案ができるとより良かったのかなとは思った。

健全に助け合える関係性というのはとても大切だと僕は感じる。

(まあ、僕もご近所さんや友人が困っていたら手を貸すけれどね)

その部分もこれからIT化や、AIが普及していく中でも変わらない人間の需要ではないかとも思った。

もしかしたら…

おじいちゃんやおばあちゃんの肩を揉んで、これ少しだけどお小遣いね。

みたいなことが最も美しいのかな、とも思った。

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