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【移動】審判は勝った時には話題にならない。【2017/07/08、清水エスパルスvsガンバ大阪】


*この記事は2017年7月に別のブログサイトに投稿した記事を移行したものです。

25周年記念マッチを勝利で飾る


2017年7月4日、我らが清水エスパルスが25回目の誕生日を迎えました。

これを記念して行われた長谷川監督率いるガンバ大阪との一戦。相手の疲労とメンバー入れ替えの影響もあったとは言え、特に前半は、ボールは持たせるもののは主導権を清水が握り立ち上がりから積極的にシュートを放つ展開。そんな中でセットプレーから先制点を挙げました。この試合ではショートコーナーを使うなどリスタートの仕方も工夫しており、中の入り方もニアで長身の選手が流してファーに松原が詰めるという狙いが見えました。先制点にも結びついたようにセットプレーに関してしっかりと準備して挑んできたように感じました。その後も勢いに乗り、冴えないガンバに対して攻撃を仕掛け、前半のうちに攻撃の流れからゴール前で粘って2点目をゲット。後半はガンバに押し込まれる時間が多くなりましたが、六反を中心に無失点に抑え、マッサーロ、アレックスなどのOBも観戦した25周年記念マッチを勝利で飾ると同時に、今季のノルマである残留と目標である一桁順位に向けて上位相手に大きな勝ち点3を手にしました。


実はナイスレフリングだった飯田主審

おそらくこの記事は、清水サポーターが多く読んでいると思います。もし読者に「この試合のレフリングはどう思いましたか?」と質問したらどう答えますか?

おそらく多くの人は、覚えていないのではないでしょうか?松原、鎌田のゴール、六反のセーブ、長谷川悠のボールキープ、デュークの献身性、マッサーロ、サトミキ、コレオ、勝ちロコ、花火などは覚えていても今日のレフリングについて覚えている人はそういないと思います。

では実際に、25周年記念マッチを裁いた飯田主審のレフリングはどうだったのか。

個人的には、素晴らしいレフリングだったと思います。

ファール数は清水が12、G大阪は11。両チーム共にカードはありませんでした。もちろんこれは、審判だけでなく選手達がフェアプレーで戦ったおかげでもありますが、審判団がうまく試合をコントロールしたことが大きな要因だと思います。

この試合で飯田主審のレフリングが安定していたことを象徴するシーンがありました。

まずは前半立ち上がりに遠藤が立て続けにファールを二回もらったシーン。ファールを誘う形で倒れたのでスタンドの清水サポから若干リアクションがありましたが、2回とも清水の選手の足が掛かっており妥当なジャッジだったと思います。一方で、前半終盤にガンバの泉澤が同じくファールを誘う形で倒れましたが、この場面では清水側の正当なタックルだと判断してファールを取らず、逆に倒れた際に手でボールを触ったとして清水ボールになりました。選手がファールをアピールするしない関係なしに、競技規則に則った適切なジャッジが終始されていた証拠だと思います。

他にも終始争点から近い位置をキープして、競り合いの局面でもしっかりと見極めていたと思います。

この試合のレフリングは、三級審判員である筆者にとってもとても参考になるレフリングでした。

しかし、先ほども言ったようにおそらく多くの清水サポは、この試合での飯田主審のレフリングがどうだったのかについては覚えていなかったと思います。

それは何故か。

答えは単純だと思います。

勝ったから、です。

自分達の応援しているチームが。


負けている時だけ審判を話題にするのはいかがなものか

極論を述べると、サポーターにとって応援しているチームが勝てば審判のレフリングなどどうでも良いのです。

しかし、負けたり引き分けの試合になると、「あのジャッジが試合を決めた」「審判がクソだった」「相手に有利なジャッジばかりだった」「ロスタイム(アディショナルタイムとすら言わない)が短い」「こんな審判がいる日本は審判のレベルが低い」などなど、多くの審判批判をSNSやスタジアムの近くの席から聞こえてきます。実際にレフリングに問題がある場合もありますが、大概は負けた原因を審判に押し付けているだけです。

エスパルスは最近まで勝てない試合が続いていました。こういう状況になると審判批判は多くなります。「エスパルスだけ審判から味方されていない」という的外れな意見も見かけました。そもそも審判は敵でも味方でもありません。両チームの選手やスタッフ、サポーターと一緒に魅力ある良い試合をつくる存在です。

逆に、怒涛の9連勝をした昨季の終盤では審判批判はほとんどありませんでした。謎なジャッジも多かったですが、勝てばそんなの忘れてしまうのです。

筆者は、見出しであえて「話題にならない」という言葉を使いました。

話題になる、ということは審判批判だけでなく、今日は良いレフリングだったと称賛したり、普通だったと言うことも含まれます。

気づきにくいですが、応援しているチームが負けた試合でも良いレフリングだったケースも多々あります。対ガンバ繋がりでいうと、2006年にホームで2-3で敗れたガンバ戦での上川主審のレフリングが良い例です。あの試合は上川主審自身もベストゲームだったと言うほどです。

審判はミスジャッジや疑惑の判定といったネガティブな時にだけ注目されがちで、応援しているチームが負けたり引き分けた時に批判されがちです。しかし、本当は、もし良いレフリングだった時には称賛し、勝った時でも良くないレフリングだった時には建設的な意見で厳しい目を向けるべきだと思います。

25周年記念マッチとなった清水エスパルス対ガンバ大阪の一戦での飯田主審のレフリングは素晴らしかったと思います。エスパルスが勝ったのでスルーされがちですが、良かった時には良かったと言うべきだと思うし、それに気付く人が増えていくと良いのかなと勝手に思っています。

どんな意見を持っていても良いです。筆者と反対意見の人とはむしろ知り合いになって議論したいです。ただ、負けた時だけそのイライラを発散するために審判の粗探しをするのはおかしいと思います。自分ではそういうつもりでなくても多くの人がそうなっている、と先日久々に現地観戦した札幌戦やSNSを観ていて感じました。


ではまた。

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