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美味しいものが多すぎる。

東京に集まる「美味しいもの」

僕が東京に住んでから1年が経過した。以前から都内には何度も訪れていた僕だが、やはり住まなければ分からないこともある。僕にとってこの1年間は刺激的で、新鮮な毎日だった。

都内に住んでみて気付いたことはたくさんある。意外と住み心地が良いことだったり、地域によって街の雰囲気が全然違うことだったり、あまりにコンビニが多すぎることだったり、いろんなことに気がついた。

だが、僕が都内に住んで気付いたことの中で一番驚いたのは、「東京には美味しいものが多すぎる」ということだ。
都内にはそもそも飲食店が多く、当然ながらその分美味しい店も多くなる。それは住む前から分かっていたのだが、都内に住んでからその「美味しい店」の多さに驚かされることが多い。

僕が以前住んでいた千葉の田舎町とか、神奈川の学生街にもたくさんの店があったが、「美味い!!」と感動できる店はそれほど多くなかった。ところがどうだろう?都内には感動できる店があまりに多い。

いのだが、各地から美味しい名店が集まっていて美味しい店が多すぎる。あらゆる有名店が都内に集中しているので、あたりまえといわれればそれまでなのだが、それにしても多い。


北千住:『BOSSA BURGER』

以前たまたまふらっと入ったハンバーガー屋は特に美味しかった。その店は北千住にある『BOSSA BURGER』という名前のハンバーガー専門店だ。専門店ということもあり、メニューはハンバーガーとドリンク、あとはおつまみがあるくらいだ。

さて、その店のハンバーガーは、とにかく美味い。

まず、ポテトが美味い。ものすごくカリカリとしていて、外側が分厚いのが特徴だ。ちょうど、オニオンリングの外側のような衣がついていて、ポテトのホクホク感と衣のサクサク感がちょうど良く調和している。仮にこの店のメニューがある日このポテトだけになったとしても、僕は何度も店に通ってしまうと思えるほどだ。

そして、ハンバーガーも最高に美味い。パティは肉感が強くて非常にジューシーで、噛むほどに肉の旨味を感じられる。粗挽きのせいか肉はゴロゴロとした食感で、ハンバーグを食べているというよりは「肉にかぶりついている」という感覚に近い。この肉感が最高なのだ。

さらにバンズはオリジナルのようで、パティの溢れる肉汁を受け止められるほどしっかりとした食感だ。大きく口を開けてそのハンバーガーにかぶりつけば、小麦の豊かな香りとレタスのシャキシャキとした食感が口に広がる。そして、噛むほどに肉汁が溢れ出し、口の中が肉々しい旨みで満たされる。
僕は初めて食べたときに思わず『うんまっ!!』と声に出してしまったくらいだ。

そこにポテトを放り込み、ビールやコーラを流し込めば、もはや人類には耐え難い幸福が体を支配する。特に肉汁たっぷりのバーガーとクラフトビールの組み合わせは最高だ。

この店に行ってから、僕は自宅でハンバーガーを作るのが趣味になってしまった。なんとかしてこの店の味を再現したいと思い、パティに使う肉にこだわったり、バンズも通販で取り寄せたりしてみたのだが、遠く足元にも及ばない。あの圧倒的な肉の旨味とジューシーさは、きっとこの店しか創り出せないものなのだろう。

ちなみに、僕が好きなのは『ベーコンチーズバーガー』だ。肉汁たっぷりなパティに加えてスモーク感の強い厚切りベーコンとチーズが入ったボリューミーなハンバーガーだ。まさに「男の子が好きそう」な見た目のバーガーで、一口かぶりつけばもう止まらなくなってしまう。

ぜひ『BOSSA BURGER』に行ったら、大きなハンバーガーにかぶりついて、脇目も振らずにガツガツ食べてほしい。そして、圧倒的な幸福感を味わってほしい。

蒲田:『うえ山』

また、大田区の蒲田駅近くにある「鶏の素揚げ」専門店のうえ山も僕のお気に入りだ。

この店のメニューはほとんど「鶏の素揚げ」しかない。それ以外に「ハツの素揚げ」や「砂肝の素揚げ」などもあるが、メインは鶏の素揚げだ。そして、この鶏の素揚げが最高に美味い。

素揚げの部位は「ムネ」と「モモ」があり、僕はいつもその両方を注文する。ムネは淡白な味わいだがパサつきがなく、非常にジューシーで美味い。モモはプリッとした食感と溢れ出す肉汁がたまらなく美味い。

素揚げはパリパリとした食感とジューシーな食感が非常に美味しい。鶏の素揚げは腕のない人が揚げると中が生焼けだったり、逆に焦げてしまったりするのだが、この店の素揚げはいつ食べても完璧な揚げ具合だ。

酒のメニューもそれなりに豊富で、僕はいつも「バイスサワー」と呼ばれる紫蘇(しそ)の味がするサワーを注文している。パリパリでジューシーな素揚げをさっぱりとしたバイスサワーで流し込めば、抗い難い幸福感に身体中が包まれる。

さて、この店で僕が特に好きな点が2つある。

一つは、この店の「お通し」だ。「お通し」と聞くとそれほど手の込んでいない料理を想像してしまうが、この店は違う。
店主が作った手の込んだ惣菜がカウンターに何種類も並べられていて、そこから一人3種類まで選ぶことができる仕組みだ。惣菜は日替わりなのだが、どれもかなり美味い。

しっかり味が染み込んだ「味玉」や優しい味わいの「おにぎり」の他、「レバー煮」や「砂肝のネギだれ」など様々な惣菜が用意されている。
たくさんの手作りの惣菜の中から好きなものを選ぶのがとても楽しく、僕は素揚げと同じくらいこの日替わりのお通しを楽しみにしている。

そしてもう一つの好きな点が、食後に楽しめる「骨のスープ」だ。
鶏の素揚げを食べ終わると店主が「鶏の骨でスープ作りますか?」と聞いてくれる。そこでそのスープを注文をすると、食べ終わった鶏の骨から出汁をとって美味しいスープを作ってくれるのだ。

このサービスはかなり嬉しい。骨を無駄にしないことにも好感が持てるし、しかもこのスープが優しい味わいで非常に美味い。

ぜひ『うえ山』を訪れることがあれば、豊富に楽しめる惣菜の数々と食後の「骨のスープ」も楽しんでほしいと思う。


下北沢:『ポニピリカ』

もう一つ紹介しておこう。
僕のお気に入りの店のもう一つは、下北沢にあるポニビリカというスープカレー屋だ。

下北沢はスープカレーの激戦区と言われており、数多くの有名店が軒を連ねている。僕はこれまでにいろんな店を回ったが、お気に入りはやはり「ポニピリカ」だ。僕は当時この近くに住んでいたときによく行っていて、かれこれ15回以上は訪れている。

この店ではチキンや野菜がたっぷり入ったスープカレーを出している。僕が好きなのは「皮がパリッとしたチキンと野菜のカレー」だ。これはこの店の名物であるパリッとした食感が楽しい骨つきチキンと、数種類の野菜が入ったスープカレーだ。チキンは外側はパリッとしていて、中はとても柔らかい。これがものすごく美味いのだ。

スープカレーにはキャベツ、豆、オクラ、ブロッコリー、人参などの様々な野菜が入っていて、時期によって野菜の種類が変わる。それぞれの野菜がしっかりと調理された状態で入っており、ブロッコリーなどの一部の野菜は素揚げされた状態で入っている。

僕が特に好きなのがこの「素揚げの野菜」で、スープと絡めて食べると非常に美味い。素揚げにした野菜の香ばしさとスパイシーなカレーの組み合わせは最高だ。

この店のカレーはスープを自分で選ぶことができて、僕はいつも「和風」スープを選ぶ。和風な出汁の旨味とスパイスが絡み合ってこれまでに感じたことのないような美味しさを感じることができる。その他、「トマト」や「エビ」のスープにすることも可能だ。
スパイスの効いたスープを口に含んでそこにライスを頬張れば、口の中が圧倒的な幸福感に包まれる。もはやカレーというよりは美味しいスープを食べている感覚に近いのだが、それがいい。

トッピングで追加の野菜を入れたり、唐揚げに似た食べ物である「ザンギ」を追加することもできる。いろんな選択肢があるのだが、僕のおすすめは「スープの増量」だ。これはその名の通り、スープをいつもより多めにしてもらえるオプションだ。スープを多めにするとかなり満足感が高いのでおすすめだ。


美味しいものが多すぎる

さて、これまで僕が都内で気に入った飲食店を紹介してみたが、とにかく、東京には美味しいものが多すぎる。

もちろん、今日挙げた3つの店以外にもまだまだ美味しい店はたくさんある。それに、僕なんて最近都民になったばかりだから、きっとこれからも美味しい店をいくつも見つけていくことになるのだろう。

もちろん、僕が以前住んでいた千葉や神奈川にも美味しい店はあったのだが、やはり都内にはそのとは比べ物にならないほどたくさんの「美味しいもの」で溢れている。そんな食べ物に出会うことこそ東京に住んでいる最大のメリットではないかと思っている。

多すぎて困ってしまうほどの「美味しいもの」に囲まれて、今日も明日も、東京を満喫していこう。


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