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Readingを通して何を教えるか

英語科教育法IIIの第2回。
Readingの模擬授業作り回。

模擬授業作りと言っても、『英語授業デザインマニュアル』をベースに授業を作るための教材研究がメイン。

「文章を味わう」プロセスでは、「本文の初読」「音読(範読ではない)」「モデル音声のリスニング」を通して、
話を読んだ感想や疑問(もっと知りたいこと)」
・生徒に考えてほしいこと・知ってほしいこと・感じてほしいこと
・「話す」「書く」活動に繋げるならどんなテーマ?」
を考えてもらう。

その後さらに本文を精読し、音声・語句・文法・文章展開など、生徒に注目させたいポイントや躓きそうなポイントをひたすらメモしていく。
ある程度時間が経ったところで3人ずつのグループに分かれて、そこまででメモしたこと・考えたことを共有する。
そこで他の人のアイデアも聞いた上で、もう一度自分の作業に向かう。

ここまでやるとかなりアイデアが発散されて、「これ、どこまで教えればいい?」となってくる。文章を味わい、分析し倒した上で、「目標」「評価方法」を考え、その目標に適うように指導案を作っていく。
「目標」の設定から先は授業内では間に合わなかったが、模擬授業担当の学生はここから一週間で目標・評価の設定をした上で、アクティビティの考案・ワークシートの作成。
模擬授業担当者以外も指導案を作成した場合は、私と一緒にそれを検討することになっている。(そこまでやる学生は果たしているだろうか)

学生の振り返りシートを見ると、多くの学生が「この本文から何を教えたいか」「教えるべきことを教えるために、どんな授業にするか」を考える難しさと楽しさを感じている。

ここで私が個人的に大事にしてほしいなと思うのは、教科書の英文から単に文法や単語を学ぶことに終始するのではなく、きちんと生徒に英文を味わってもらうこと。
そのためにこそ、教材研究の「英文を味わう」過程で「話を読んだ感想や疑問(もっと知りたいこと)」「生徒に考えてほしいこと・知ってほしいこと・感じてほしいこと」を考えてもらっている。
教科書の本文によっては生徒に興味を持たせる(あるいは教師自身が興味を持つ)のが難しいトピックもあるかもしれないが、それでも「学校教育」における授業で扱う以上、生徒に何か感じるもの・考えることがあってほしい

全く自慢できることではないが、私は中学校教員時代どうしても自分が興味を持ち切れず、十分に教材研究ができなかったレッスンを丸々投げ捨てたことがある。代わりに時事的な話題から英文を作成して、教科書で扱われるはずだった新出文法を扱った。
私のそのやり方は興味を持つことを諦めたという意味で決して褒められたものではないが、それでも「生徒に伝えたいことがないなら授業などしない」ぐらいの気持ちで授業を作ってほしい。

教師教育者のエゴではあるのだが、そういう先生を私は育てたい。

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