アートについてのメモ

絵画メモ 芸術鑑賞について① アート史①

 最近はまっている、絵画に関するメモを発表する体で走り書きしてみます。
 謎にプレゼン形式なのは、僕は残念ながら文章を行儀よくまとめるのが苦手で、えらい遅筆になるのに対し、挑発的なプレゼン形式でメモしていくとなぜか一定のまとまりをえつつ文体で書くより早く書けるからです。
 そしてこれを公開するのはカコタムには美術に詳しそうな人が多いので間違ってたら教えてもらったり、あわよくば議論してみたりできたら嬉しいなという淡い期待があるからです。あ、あとカコタムにいるメンバーと子供を無意識に、途中から意識的に想定して書いてました。
 あと、一応メモなので。


アートとはなんでしょうか?


質問①

これがアートだと考える絵を一枚描いてください。今回は絵の話をするので絵を描いてください。
(※書けない人は、脳内で出来るだけ具体的に描いてください)


さて、皆さんは何を書いたでしょうか。

たくちゃん予想

・ピカソっぽい絵
・ドクロや時計などのシンボルを使った絵
・アニメや漫画や空想上のキャラクター
・抽象画
・風景、静物画
・肖像画
・謎の配置の消しゴム


どこで描いたでしょうか

たくちゃん予想

・寝る部屋
・リビング
・部屋、特にベッドの上
・外


'何で'、'何に'、描いたでしょうか。

たくちゃん予想
・えんぴつ、シャーペン、ボールペンで
・色ペンで
・蛍光マーカーで
・ホワイトボードマーカー、チョークで
・絵具(水彩)で

・画用紙、A4紙、ノート(紙)に
・ホワイトボード、黒板
・iPadに

どんな人生を歩んだ人が描いたでしょうか

たくちゃん予想

・1985-2010年代に生まれた
・アート界ではまだ一切頭角を現してはいない
・優しい人たち


何を考えながら描いたでしょうか

たくちゃん予想

・うまいものを書こうと思った
・個性的なものを書こうと思った
・構図を意識して描いた
・とにかく「芸術は爆発だ」と唱えていた


質問②

それはアートだと世界中の人が評価する可能性はあるでしょうか。

 アートだと評価されると思う人はその理由を
 アートだと評価されぬと思う人はその理由を
 教えてください。


ということで、僕も皆さんの絵をアート史の観点で評価していきましょう。ちなみにアート史は基本西洋史の歴史で語られるので僕は今から日本語を話すフランス人です。また、このフランス人はアートの歴史を極端に捉えていたり、曖昧な知識を堂々と言う人なので、言っていることが全て真実とは限りません。一種の参考程度に考えたください。


●西暦500年〜ルネサンス以前(1300年くらい)

この時代の人になりきっていうのなら

「皆さん、論外です。」

この頃の西洋は、キリスト教を広めるための絵を作っている時代です。人間? 風景? よく分からない絵? そんなものは評価されません。

もしかすると神様とか天使とかをテーマに書いた人がいるかもしれません。

そこでその絵は評価されるのでしょうか。
おそらく、されません。
神様を描いた方向けにもう少し評価を続けます。

「なるほど、神を信ずる気持ちは分かりました。
ただ、ダメです。神への敬意が全くたりません。」

顔に表情があるものはダメです。笑っていようが、泣いていようが、とにかくダメです。なぜなら神なのだから人間と同じような感じに書いてはいけません。

『サンタ・トリニタの聖母』(1280年頃)チマーブエ

こんな感じの表情と神々しい絵を見たら「あ、これは中世ヨーロッパ時代の絵だと思われますね。理由は、神が描かれていること、そしてこの特徴的な表情。これはーー」と語りましょう。

さらに絵画通ぶりたい人は、「この絵は、今の絵と異なり分かりやすい。あ、っていうのは大事なものほど大きく書くからですね。現代の絵は、必ずしも一番大事なものを一番大きく書くとは限りませんから。私は神様には詳しくないですが、ほんの少しだけ絵がわかるので絵をみれば分かることもあります」と言いましょう。

ちなみにこの絵は、めっちゃでかいらしいです。4メートル以上あるようです。実物を見てみたいですよね〜。ルーブル美術館にあるそうです。

あと、ちなみにこのチマーブエさんはルネサンス初期の人とも言われてるみたいです。画家の名前がこの人以前は残ってないのと、ルネサンス以前の特徴が濃いのでこの画家さんを紹介しました。

●ルネサンス、バロック、ロココ(1400年くらい〜1年くらい)

この時代の人になりきって、まずは見る人の絵を決めましょう。

「まずは、神様か人間をうまく描いた人の絵を見てみましょう」

ということになります。「ルネサンス」とは日本語で「復興」「再生」であり、キリスト教中心時代から人間中心時代。絵を見れば分かりやすいです。

『聖母子と二天使』1450-65年頃フィリッポ・リッピ

別に神様を描かなくなったわけではないんです。ですけど見てください。表情を。全然違いますよね?

ちなみに皆様の絵を評価する前にもう少しだけ先

ということで、人と神様を人間っぽく描いた人は評価されるのでしょうか?

まず、遠近法を使った絵を描いている人。この人は、場合によってはどんな酷い絵を描いていたとしても評価される可能性があります。この時代は、一点透視図法と呼ばれる遠近法が開発されています。

『三位一体』(1427年)マサッチオ


ただ、一点透視図法を描いているだけなら、へー、知識あるんだねくらいかもしれません。ただ、二点透視図法、三点透視図法を使った絵なら、レオナルドダヴィンチさんもあなたに注目するかもしれません。
あ、レオナルドさんは空気遠近法で描いた絵があればそれにも注目するかもしれません。それ、レオナルドさんが研究してた手法ですから。

『モナ・リザ』(1503-1519)レオナルド・ダ・ヴィンチ

ただ、遠近法以外において皆さんの絵を評価するのであれば

「レオナルドダヴィンチに比べて人間を描くための基礎がなっていない」

でしょうか。

レオナルドダヴィンチは、解剖された人間を何人も見て、描いてきた人でした。今までの画家とは異なり、人間の外見だけではなく、物理的な中身まで熟知している人でした。外も中もしっかり観察してきた画家が描いた人間に、あなたの絵は勝っているでしょうか?

ということで、モナ・リザを見たら

「モナ・リザを描いたレオナルドダヴィンチは万能人って言われてるけど、皆は何個この人が出来る偉大なことをあげられる? まぁそれはどうせ僕の方が詳しいから置いといて、僕はダヴィンチを尊敬している。きっと彼も最初から万能だったわけじゃない。あくなき探究心の末に解剖学とか、できることが増えていってシナジーが生まれ、最終的にこんなすごい絵ができあがったんだと思うんだよ」と言いましょう。

さらに絵画通ぶりたい人は、

「皆は、モナ・リザが誰なのかとかに興味があるようだけど、僕はむしろダヴィンチのクオリティへの徹底的なこだわりにこそ惹かれているんだ。絵にめっちゃ近づいてみてごらん。この女性の輪郭の境界が分かるかい? この人は筆を使って描いてるはずなのに、筆の跡が一切残らないくらい繊細な色の塗り重ねによって僕たちに輪郭を見せないんだ。」と言いましょう。
さらに、「もう本当、完成されてるよね。この300年後に、あえて筆の痕を残していくスタイルの印象派っていうのにも僕は注目してるんだけどさ」と加えましょう。


疲れたので今日はここまで。


次回、●ロマン主義、新古典主義●印象派 絵具等の画材について

次次回、●近代美術、現代美術 思想や描き方、個性重視から西洋での個性重視の終焉

って感じで続編はあるかな?

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