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吉村食ぐ人 #31 スイングカランで心躍る&森のワイン

福岡に住み始めることとなり、部屋を探す時に候補として上がった街が大濠公園だった。
大きな公園もあり、閑静な住宅街。
ただ、恐ろしく地価が高騰しており、東京とさほど変わらない家賃ということを聞いた。実際に高いところも多かった。
結果として西新に住むことになったのだが、たまに散歩がてら大濠公園には足を運ぶことがある。
その時に感じるのはハイセンスは個人店が多いなぁ、ということだ。
こりゃ住んでいたらたまらないなぁ。
地元の札幌でいうところの円山公園に近い雰囲気だ。

そんな大濠公園においてお気に入りのお店がある。
酒場サークル。

奥さんの知人の紹介で知ったお店で福岡1年目にお邪魔した、立ち飲みのワイン酒場。
自然派ワインを中心に取り揃っているお店なのだが、雰囲気が個人的に大変思い入れのある名古屋の伝説的立ち飲み酒場である「ヤシオリ」に似ている。
今回はかなり久しぶりの訪問。

ワインももちろん興味があるのだが、仕事終わりにまずはビール。
ここで提供されるビールはエビスビールなのだが、機械が違う。
「スイングカラン」という機械を使って注がれるのだ。

これがスイングカラン

昭和初期まで主流だったと言われているこのスイングカランは技術が必要となるが、一気に大量のビールが注げる、ということもあり、ビアホールでも大活躍。
そして、口当たりが滑らかな泡と爽快感が楽しめるとのこと。
注ぎ方も色々とあるけども、まずは一度注ぎというやり方での一杯。

いや〜、美しい

とても綺麗な状態のビール。
早速飲んでみると爽快感がすごい。
炭酸による爽快感、というよりも味わいが軽やかでうまいのです。
そして当ても頼もう。

2種類のラペ

ニンジンと紫キャベツのラペ。
初夏のこの時期にさっぱりとした味わいのラペは最高。
軽やかなビールとの相性も抜群!
そしてスイングカランならではの2杯目がこちら。

泡だけのビール!

泡だけを注いだ、通称「ミルコ」をオーダー。
これはあれです。大人のミルクセーキです。
モッコリとしたクリーミーな泡にビールの味がしっかりしている。
時間が経つにつれ、下の方に黄色のビールが出てくる感じも面白い。
これぞ、マルコならでは。

白ワイン

さて。白ワインへ。
こちらの白ワインは普段飲んでいる白ワインとは味わいが違って、しっかりしつつも爽快な感じ。
うーん、普段なかなかワインを飲み比べたりしないからこの辺りの表現がどうしても拙くなってしまう。。
ただ、すごく美味かったのは確かだ。
※この文章を書いている途中でワインを調べたら自然派ワインの中ではかなり有名なワインとのこと。

イワシのオーブン焼き

これに合わせるのに頼んだのがイワシのオーブン焼き。
夏ですなぁ。
イワシは頭から尻尾までいただけるタイプ。
ほろ苦さも良いアクセントに。
そして、右下にあるセロリの醬のようなものがめちゃくちゃうまくてこれだけでワインがいけました。
さて、2杯目のワインを頼もう。

この赤ワインがすごかった!

紹介された時、「飲むヒノキです」と紹介されたのだが、その通りだった。
すごく森林の香りが楽しめるワインだった。
この香りの素は一体なんなのだろうか。
飲むアロマであり、飲むヒノキだ。
森林の香りが好きな僕にとってこれは大ヒットだった。

鹿串

赤ワインに合わせて頼んだのがこの鹿の串焼き。
高校生の時に鹿肉を食べたが臭みがすごくて食べられなかった記憶があり、なかなか食することを避けていたのだが、好奇心でオーダー。
これがビックリするほど柔らかく、臭みが全くないお肉だった。
糸島の鹿肉らしく、〆る前にストレスを最小限にするようにしているため、ストレスによるお肉の損傷が少なく、ひいては旨み・柔らかさに繋がっているとのこと。
昔、フードアナリストの講座を受けた際、ワインは料理のソースだ、という観点を得たのだけども、それを体験することができた。
マリアージュって素敵だ。

久々の訪問になってしまったが、前回、そして前々回同様、とても素敵な時間と体験を得ることができた。
ワイン、なかなか奥深いなぁ。
そりゃ歴史も長いから奥も深いよなぁ。
そしてこのスイングカランのビールはなかなか楽しめないので良い機会だった。

自炊をするし、宅飲みも大好きなのだけど、宅飲みでは味わえないプロの料理やお酒ってこういうことだよなぁ、としみじみ実感し、その日はもう1軒、ビールを飲んで帰宅。
福岡市は大濠公園。
個性的なお店が本当に多い。

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