見出し画像

この1年で感じたコワーキングスペースのニーズ変化

僕は2018年の1月にGROVING BASEという、コワーキングスペースやカフェ、個室レンタルオフィスなどの入ったオフィスビルをオープンしました。「これからの働き方」という文脈において、オフィスの在り方はテーマの一つであり、その中でコワーキングスペースやシェアオフィスといったものは選択肢にあがってきます。運営をはじめて3年と4ヶ月。たった3年ですが、コロナの直撃もあり、かなり大きな変化がありました。

コロナ前の状況

オープン当初、イメージしていたメインの顧客層は社員数名の小規模な会社や、フリーランスの方。そして、比較的規模の大きな会社の新事業部が本社からの出島として使う事をイメージしていました。実際にそういった方の利用が多く、月額12,000円のフリーデスクを24時間使えるプランよりも、特に月額60,000円〜100,000円ほどで利用できる個室レンタルオフィスのニーズが高かったです。

当時は、コワーキングスペースはガラガラ。それに対し個室が満室という感じでした。
個室オフィスはコスパの良いオフィスとして利用され、交流もぼちぼちと。
それに対し、12,000円のフリーデスクを使うプランは、作業をする拠点というよりも、住所登録が出来る場所、それから会議室が使える場所としてのニーズが高かったです。普段自宅で仕事している方達が、名刺やWEBサイトに自宅の住所を載せたくなかったり、打ち合わせをする場所に困ってうちを選んでくれていました。

■コロナ前の状況
・個室オフィスはコスパの良いオフィスとしてのニーズが高い
・コワーキングスペースは、住所利用や会議室利用のための契約が多く、会員数に対してスペース自体はガラガラ。

コロナ禍で変わったニーズ

新型コロナウイルスを意識しはじめたのは、2020年の1月か2月頃からでしょうか。まずは、イベント利用の予約が激減しました。

そして、2020年のゴールデンウィーク前にはじめての緊急事態宣言が発令されます。このタイミングで、企業の新規事業部として借りてくれていた個室4部屋が一斉に空きました。理由は、自宅で仕事してもらうほうが効率が良いという事と、先行きが見えないので早めに固定費を削減したいということでした。また、1名〜3名ほどで個室を借りていた会員さんの中にも、コストカットのために個室を解約し、12,000円のフリーデスクプランに移行された方も数社ありました。
秋くらいまで新しいプランを考え広告を出したりビラをポスティングしたりしましたが、反応はほとんどありません。

個室の空きに反してコワーキングスペースの方は、個室からの移行だけでなく、テレワーク利用の会社員の方がかなり増えます。緊急事態宣言を明けた後に新プランを打ち出したこともあり、7月頃から会員数は倍増。そして、これまでガラガラだったコワーキングスペースを積極的に利用してくれる会員さんも増え、フロアに活気が出ました。

■コロナ禍(初期)の状況
・利用者のコストカットにより個室オフィスが空き始める
・ニーズが少なかったコワーキングスペース利用が増加。
・これまで利用する事のなかった会社員などに届くように。

一旦減少した感染者が激増した2021年春

コワーキングスペースの新規入会の問い合わせは継続して増加し、感染者が落ち着いた時期には個室の内覧希望も増加しました。この春に個室に入られた方は、副業をしている方や、将来起業を目指すテレワーク中の方などです。

画像1

これまでは既に起業した人や、会社が借りて会社員が利用するサテライトオフィスとして利用されていた個室ですが、会社員をやりながら自分のことをもっと頑張りたい、という方が借りていただけるようになりました。

また、関東の方からの移住を検討しているという方の見学も増えてきた印象です。やはり、働き方が柔軟になったことで、働く場所や時間が自由になった方が増えたり、コロナという大災害を目の当たりにし新しい挑戦を始められる方が増えてきたようです。

また、コロナに慣れてきたこともあってか、元々会議室利用目的で会員登録された方は、あまりオフィスに来られなくなってしまいました。面談が自宅からネットで出来る時代ですからね。逆にGROVING BASEを拠点にしている方は、小さい会議室でたくさんZOOM会議をされています。

■コロナ禍(直近)の状況
・副業などで個室オフィスを借りる方が増えてきた。
・移住検討者が増加している。
・会議室のためだけの利用者は減り、拠点としている人がZOOM会議で会議室を利用。

個室オフィスを複数名で契約できるように

■ニーズの変化
個室、会議室、住所利用ニーズ高、コワーキングスペースニーズ低
→個室ニーズ減、コワーキングスペースニーズ増
→個室ニーズ増

■利用者の変化
小規模事業者、フリーランス、中・大規模企業支店
→小規模事業者、フリーランス、テレワーク中の会社員
→小規模事業者、フリーランス、テレワーク中の会社員、副業、起業予定者

このような環境の変化にあわせて、この1年は色々なプランを出したり、レイアウトを変更したりしました。
(ちなみにイベントのニーズだけは全く戻る気配がなく、大変です・・・)

この春からも、一つ新しい取り組みをしています。
これまで基本的には個室オフィスは1社(1団体)で借りていただくことが基本でしたが、「仲間と一緒に副業したい。」「社外でのプロジェクトを立ち上げたい。」「友人と一緒にテレワークする場所がほしい」などのニーズに応えられるよう、同じ組織でない複数名で契約できるようになりました。

個室もあと数部屋で満室となってしまいますので、ご検討される方はぜひ下記のリンクからご連絡くださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?