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鉄の機能

今回は鉄についての記事です。

「なんだかふらふらする。」や「さじ状爪」で知られる鉄欠乏性貧血。
今では先進国の女性の18%が貧血ともいわれていて、日本人女性の22.3%が、また妊婦の方だと30~40%が貧血になっている状況です。
ちなみに血液検査のヘモグロビン値が13g/㎗が基準値だとすると日本人の52%が貧血で先進国の中だとトップクラスです。

また骨粗鬆症や不妊、うつ病などその病気の裏には貧血が隠れていることもあります。産後や高齢者の患者さんを相手にする私たちにとって切っても切り離せないのが実はこの鉄です。
それでは今回はそんな貧血でお馴染みの鉄の機能にフォーカスして書いていきたいと思います。

・赤血球を作り酸素を運搬する


酸素を運搬するのは赤血球の役割ですが、その働きはヘモグロビンによるものです。
ヘモグロビンは「ヘム」と「グロビン」からつくられており、このヘムの構造分子の中心が鉄原子になっていてこの鉄と酸素がと結びつくことによって私たちの各器官に酸素を届けていくのです。

・筋肉に酸素を貯蔵する


私たちが大好きな肉や刺身赤身の正体はミオグロビンによるものです。
ミオグロビンも鉄が重要な構成物質となっていてヘモグロビンよりも酸素との結びつきが強い特徴があります。
血液によって運ばれてきたヘモグロビンから各組織のミオグロビン内の鉄に酸素を受け渡すことによって酸素を貯蔵します。
下の表が鉄の体内分布の割合の表になっていますので参考にして下さい!

エクセルからの画像

・エネルギーを産生する

私たちの体のエネルギーとなるのはご存知ATPです。このATPの生産にミトコンドリアの電子伝達系が肝を握っているのですがこの電子伝達系にも鉄が必要とされています。
女性アスリートの貧血も最近話題になることが多く、激しい運動やランニング時の足底の衝撃で赤血球が壊れてしまうこともあり、食事をしっかり摂っていてもなんだかパフォーマンスが上がらないなんてこともしばしばあります。(運動性貧血)
つまりアスリートにとっての鉄不足はパフォーマンス向上という面でもたんぱく質や糖質に並んで重要視される栄養素になってきます。

・ホルモンを生成する

ホルモンの生成にも鉄を使います。
アミノ酸を使ってセロトニンやチロシンといった脳内ホルモンを作る過程やコレステロールを使って性ホルモンを作る過程で鉄不足があると材料があってもこれらのホルモンを生成できないこともあります。

「なんだか集中力が続かない」
「最近不安が解消されない
「イライラする」
「生理不順が....」
などは鉄不足のサインかもしれません。


今回は鉄の体内での役割までを書きました!
整形外科や接骨院で日々接する患者さんにも

「この人なんだか貧血っぽいな。」
と思う場面がたくさんあるので患者さんの目に見えない何かに気付いてあげるためにも栄養という観点はとても大事な要素になってくると思います!
鉄についてはまだ書きたいことがあるので小分けにして書いていきたいと思います^_^

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