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新規事業にまつわる3つのマーケティング

新規事業のあらゆる領域・側面で活動をしている株式会社Relicの小森です。

本日は新規事業において様々なマーケティングというものが存在し、そのことを意識することで有効な活動が展開できるということを紹介します。

新規事業にご興味がある方、新規事業を推進されている方はもちろん、マーケティングの理解を深めたい方にも参考にしていただけると思います。

少し文章が長くなってしまったので、ご興味のある章からお読みいただければと思います。

新規事業にまつわる3つのマーケティングとは

ズバリ、以下の3つです。
①新規事業案のマーケティング
②社内新規事業プログラムの社内マーケティング
③オープンイノベーションのマーケティング

「①新規事業案のマーケティング」は一般的なマーケティングに最も近いものを指しており、「検討中の新規事業案がどのような顧客向けのプロダクトなのか」「その顧客にどのように認知~行動してもらうか」といった思考と活動を指しています。

次に「②社内新規事業プログラムの社内マーケティング」。社内で何かしらの取り組みを行うとき、社員の中にも興味関心の強い層もいれば、全く興味関心がない層もいれば、そもそもその活動を知らない層もいます。その方々にどのように働きかけていくのかといった思考と活動を「社内マーケティング」と考えています。

最後の「③オープンイノベーションのマーケティング」は、社外から事業アイデアを募ったり、協業先とマッチングするアクセラレーションプログラムはもちろん、M&A/JV設立など、広く社外と協業して事業開発/推進する際、どのように他社に働きかけるべきなのか、という思考と活動を指しています。

「①新規事業案のマーケティング」は、一般的なマーケティングの考え方・進め方として違和感はないと思いますし、そのような認識の下で活動されている方も多いでしょう。

一方、「②社内新規事業プログラムの社内マーケティング」、「③オープンイノベーションのマーケティング」は、もっと意識的に「これはいわゆるマーケティングの問題だ」と捉えて進めることで、有効な活動ができると考えています。

①新規事業案のマーケティング

この記事の主眼は「②社内新規事業プログラムの社内マーケティング」、「③オープンイノベーションのマーケティング」ですが、「①新規事業案のマーケティング」も概観しておきましょう。

新規事業のアイデアの骨子は、「誰の」「どのような課題を」「どのように解決するか」だと考えています。

アイデアの骨子の仮説を検討した後は、「本当にそのような顧客はその課題を抱えているのか」、「その顧客の課題をこのように解決するとしたとき、顧客はその解決策を認知し、購入/利用してくれるのか」といった検証を進めていきます。

こういった検討/検証の際には、マーケティングの「STP」の考え方が有効です。STPのSはセグメンテーション、Tはターゲティング、Pはポジショニングを指しています。

セグメンテーションでは、「人口動態変数」「地理的変数」「心理的変数」「行動的変数」などを切り口に顧客を分類します。例えば「年代、性別、居住地(都市/郊外)、ライフスタイル(仕事に注力/プライベートを重視)」などです。

ターゲティングでは、セグメンテーションで分類した顧客群を眺めながら、検討している事業/プロダクトを最も受け入れてくれる顧客に狙いを定めることです。例えば、「20代男性、都市圏居住、プライベートを重視、デジタルプロダクトを多用」などです。新規事業の初期段階では、必ずしも1つのターゲットに絞り込む必要はなく、検証を通じて狙いを定めていくことも重要です。

最後のポジショニングは、ターゲティングで狙いを定めた顧客が利用している他のプロダクトと比較したときの、自社プロダクトの有効性/優位性を検討することなどです。

弊社代表の北嶋の書籍に詳しく記載されているので、ご興味のある方はぜひ参照ください。

②社内新規事業プログラムの社内マーケティング

先述の通り、社内で何かしらの取り組みを行うとき、社員の中には興味関心の強い層もいれば、全く興味関心がない層もいれば、そもそもその活動を知らない層もいるでしょう。

社内新規事業プログラムを開催している企業では、応募の数やアイデアの質を高めるために、社内広報、イベント開催、事業ラインでの働きかけなど、様々な施策を繰り出していると思います。この活動にマーケティングの考え方を取り入れることで、より効果的な施策が打てるようになります。

「①新規事業案のマーケティング」でご紹介したSTPを転用してみましょう。

まずはセグメンテーションですが、社内マーケティングにおいてよく用いるのは、「社内新規事業プログラムのエンゲージメント」と「アイデアの完成度」です。その上で、該当する人数の多いセグメント(表中の象限)に狙いを定めて働きかけを検討します。すなわちターゲティングです。

「そもそも社内新規事業プログラムを知らない層」「社内新規事業プログラムを知ってはいるが、興味はない層」に対して頭も手も動かす「ワークショップ」を提供しても参加してくれないので、希少性の高いコンテンツを聞くだけで構わない「外部起業家の講演」などが有効です。

「社内新規事業プログラム」としての発信ではなく、定常業務を行っている組織の情報伝達経路に沿って情報展開するのも有効です。

社内新規事業プログラムでは、研修やワークショップを開催することが多いと思いますが、エンゲージメントの低い層には届きにくい施策であることがおわかりになるかと思います。

さらに、セグメンテーションの横軸、アイデアの完成度によっても施策は変わります。

エンゲージメントは高くとも「何もアイデアを考えていない層」もいれば、「顧客・課題・解決策といった骨子がすでにある層」もいます。アイデアの状態によって、ワーク中心の研修を通じてアイデアを考える場を提供すればよいのか、早期のメンタリング(壁打ち/相談)がよいのか、あるいは運営側に近い存在として発信してもらうのがよいのか(エバンジェリストになっていただく)などが変わってきます。

さらに、実際訴求するときにはポジショニングの要素、「なぜ今あなたが社内新規事業プログラムに参加するのか?どのような価値があるのか?」を伝えることが重要です。

縦軸も横軸もどのように計測すればいいのか、計測できたところでどのような施策をどのような頻度/タイミングで実施すればいいのか、難しいと感じられた方もいらっしゃると思います。ぜひ弊社にお問い合わせください笑

このように、社内の取り組みであっても、一種の「マーケティング」として取り扱うことによって、有効な活動を進めることができます

③オープンイノベーションのマーケティング

3つめは、先程の話と180度変わって社外向けのお話です。社外から事業アイデアを募ったり、協業先とマッチングするアクセラレーションプログラム、M&A/JV設立など、他社と連携/協業して新規事業開発を進めるアプローチがあります。

そのとき、検討している新規事業の内容や、すでに既存事業でお付き合いのある会社などの条件を基に外部の企業をリストアップし、優先順位付けをし、協業などの打診をすると思います。

なので、STPのうち、SとTは意識する/しないにかかわらず、対応されていると思います。

一方、STPのP、ポジショニングが弱い、あるいはそのポジショニングの伝達が弱いケースが散見されます。オープンイノベーションでは、非常に重要なポイントにもかかわらず。

先述の通り、他社に声がけしていく上で、企業リストを作成し、優先順位を付け、その後具体的な打診を進める中で、他社が「リスト上の多くの企業の中の1社」「one of them」になってしまっていないでしょうか

ご自身が何らかの製品を購入したり、サービスを利用するとき、ご自身が提供企業からone of themとして扱われたとしたら、いい気持ちはしないでしょう。にもかかわらず、オープンイノベーションにおいてそのような行動になってしまっていないか、点検が必要です。

実際の動きとしては、企業リストを作って、優先順位を付けて打診していくのですが、「なぜあなたの会社にお声がけしているのか?なぜあなたの会社とともに活動したいのか?あなたの会社にとっての意義/意味は何なのか?一緒に活動することで、どのような世界を実現したいのか?」、One to Oneマーケティングのように、1社1社に合わせて訴求していく。

こういった点で、オープンイノベーションにも「マーケティング」の思考や活動が重要なのです。

まとめ

今回は、弊社Relicが新規事業開発を進める上で大切にしていることの一部をご紹介しました。ある程度概要はお伝えできたと思いつつ、ここに記載できない具体的な内容も多くありますので、詳細をご要望の場合はお気軽にご連絡くださいませ。

また、今回、どちらかというとマーケティングという切り口での「思考」を中心にお伝えしましたが、
 ①新規事業案のマーケティング
 ②社内新規事業プログラムの社内マーケティング
 ③オープンイノベーションのマーケティング
いずれにおいても重要なのは「徹底的な実行」と「定着」です。

この点についてもお力になれることが多くあります。ご興味のある方はご連絡くださいませ。


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