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他のだれよりも

これは今日中に書かないといけない気がするので急いで筆を執っている。少々雑な表現や、昨今の多様性への配慮を欠いた点などがあれば申し訳ございません。先に謝っておきます。


実はいま一時帰国をしており、日本にいる。3月5日に入国し、明日3月21日にオーストラリアへ戻る。一番の目的は高校の友人の結婚式であった。今回もスピーチをしたのだが、ウケた。はっきり言ってむっちゃウケた。前にいたおじさまたちの盛り上げが良かったのか、前回の反省を生かせたのか、とにかく役割は果たせたかなと思う。


東京ドームでおこなわれたWBCの準々決勝にも行けた。大谷とダルビッシュが投げたあの試合だ。このチケットは、僕のnoteにもたびたび登場するバット職人の友達が、一般抽選にて勝ち取ったチケットであった。本当は職人と職人の奥さんが二人で行く予定だったが、まだ小さなお子さんのことを配慮して、僕に譲ってもらった形だ。転売すれば30万もくだらないプレミア物だったが、定価で僕に譲ったのは男気以外のなにものでもない。本当に感謝感謝である。なにより4万人の「やまーだてつと」には鳥肌がたった。国際試合の独特な緊張感は一生味わえないだろう。周りの観客が一体となって「楽しくしよう」という協力の姿勢も好きだった。甲子園の阪神戦ではありえない雰囲気である。


そして今日だ。僕は2023年3月20日をこの先ずっと忘れないだろう。実は昨年の6月より漫画家の友達と読み切り漫画を創っていた。基本的な話の構成は僕が考え、友達の意見も入れながらプロットを完成させ、絵を描いてもらった。僕がオーストラリア在住ということで直接の打ち合わせができなかった。時には3時間にもおよぶ電話を定期的にし、完成させた作品を今日、持ち込みという形で出版社の編集者に見ていただいた。


結果的にいうと、今回の持ち込みで人生は変わらなかった。「この読み切りを賞に出しても一番は取れない」というありがたい意見もいただいたので、まだまだ努力が必要ということだろう。今回は違う出版社のお二方に見てもらったのだが、指摘していただいた良い点と悪い点はほとんど同じだった。おかげで僕たちの漫画の修正点と強みが見つかった。持ち込み後、その友達とカフェ→銭湯→居酒屋と場所を変えながら、5時間にわたる反省会を決行。この作品はもっと良くなる。上手くなくてもいいし、きれいにまとまらなくてもいい。ただ、誰よりも食いつかせる読み切りを創りたい。前しか見てないのでお互いに口にはしなかったが、僕たちは今日、むちゃくちゃ悔しかったのだ。

居酒屋で隣の席だった男性2人組は、終始ティンダーの話と下品な女の話をしていた。兄さん方、ちょっと待ってろや。その無生産な話題、そのうち「昨日読んだおもろい漫画の話」に変えたるさかい。同じ無生産でも、少しばかり教養があった方がええやろ。

今回の持ち込みを経て、考えたことがある。今日からまた、作品のブラッシュアップをしていくわけだが、僕の内面もブラッシュアップしていく必要があると思うのだ。どういうふうに?簡単だ。「人に親切にする」のである。自分への甘さ、傲慢さ、いい加減さというのは必ず作品に出てしまう。良い作品にするためには、良い人間になってしまえばいいのだ。早速だが、先ほどコンビニで荷物の発送に困っている白人男性がいたので、ヤマトへの持ち込み方を伝授して差し上げた。ホテルでストロングゼロを飲んでいるUSAおじさんがいたので「アルコール度数高いから気をつけてね」と囁いた。今は、誰かに対して親切にしてあげたくてたまらない。ある種これは偽善だが、偽善でもいい。その優しさの一歩が、一滴のアイデアを降らせる。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。