いつまで経っても啓発されない
自己啓発本ほど合法的な詐欺行為はないと思っている。切り口だけを変えて、だいたいみんな書いていることは同じだからだ。読むやつも書くやつもみんなバカでどうしようもないのだが、なぜか売れるので出版社も喜んで重版をかけ、場合によってはタイトルを少し変えただけの、内容は80%同じパート2を発売する。どうしようもない。一度本を開いてみれば、空白だらけで文字が大きく、要約すればA4用紙1枚で収まってしまうような内容であるから、読んでいられない。
自己啓発本批判をする割にはやたらと詳しいじゃないかと思われているかもしれない。何を隠そう、僕も読む。過去形、過去完了形で書かなかったのは、今もたまに読むことがあるからだ。僕もバカの一員なのでみなさん安心していただきたい。批判を続けていく。
自己啓発本のダサいところ。まずはタイトル。これはもう簡単だ。とにかく「世間の常識に少し抗うようなこと」を書いておけばよい。いまだと「男女は平等ではない!」とか「結局飲みニケーション最強!」などだろうか。帯には高い確率で著者が働いていた企業の名前が書かれているだろう。元グーグル、元ソフトバンク、元孫正義の弟子、、、うるせえ。現職の時に書けよ。そういうやつに限って辞めた理由を「組織の枠から飛び出したかった」とか言いやがる。本当に働いていたか分からない、もしかしたらただの業務委託かもしれない、前職の名前に頼ってる時点で枠の中なんだよお前らは。
内容に関してはまあ薄い薄い。今までのYouTubeの発言とかをまとめただけみたいな本はザラである。その本をYouTubeの視聴者が買い、初めて得た情報かのように「やっぱ〇〇さんはすごいなあ」とサルのように感心する(バカだからYouTubeで見たこと聞いたことを忘れている)。
もうおわかりだろうが、自己啓発本は「本である理由」が何もないのだ。要約すると400字で終わるのに、それを200枚、300枚に無理やり引き伸ばされ、今日も紙資源が無駄遣いされている。でもどういうわけか紙媒体になるだけで妙な説得感が出るから不思議だ。
電車で自己啓発本を読んでいる20代の男、そうそこの君だ、今すぐブックカバーをするんだ。どれどれタイトルはーっと、「自己肯定感低めの人のための本」? ヤバいヤバい、早くしまえ!読んだらすぐにメルカリとかブックオフで売るんだぞ。本棚に並べるなど問答無用だ。もしすでに並べちゃってる人がいたら、本棚に並ぶ自己啓発本の頭文字をつなげて読んでごらん、「ワタシハバカデス」というメッセージが浮かんでくるだろう。
自己啓発本は、読んでいる最中はやる気が出て影響されるかもしれない。でも当然だけれど行動しないと何も意味がない。それに気づいたあなたは「行動力を高める本」みたいなものを読むだろう。読後はフットワークが軽くなった気がして、行ったことのない個人経営の居酒屋にふらっと入ってみたりするだろう。でもその付け焼き刃の行動力は、長くは続かない。少なくとも自己啓発本に救いを求めているうちは、あなたは誰にも救われない。嫌われる勇気を持つためにすべきはアドラーの教えを守ることではない。実際に嫌われてみることだ。
さて、最近Kindleで買った「頭のいい人が話す前に考えていること」でも読むかー
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。