失くしたものだけが己を作る
「大切なものをことごとく失う人生」と「大切なものがたった一つも手に入らない人生」とならば、どちらが悲惨なのだろうか。
この二択をよくよく考える。
中学生のときに失った環境、高校生のときに失った実家と恋人、成人してから失った平穏と良識、東京に出てから失ったたくさんのもの。
思い返すと、大事なものを失い続けてきた。
手放したくないものもあったし、手放すことを受け入れたものもある。
「大切なものをことごとく失う人生」と「大切なものがたった一つも手に入らない人生」で見ると、僕の人生はここまで前者よりで来た。
思い出はいつも心を温めてくれる。だけどその温もりのせいで、いつまで経っても寒さに慣れなかったりもする。
でもその寂しさと温もりが、人間としての幅を作るようにも思う。
『痛みもないけど、色もない』なんて男とは、どうしてもサシで飲めない。
BBQだけで生きていくには、人生は長すぎる。 パーティーの爆発力だけでは、息切れしてしまう。テキーラはそんなに美味くもない。
いつまでも何かを愛して、何かを抱いて、失っていきたい。
あした本が発売される。
「まぁいろいろ失った、だけど悪くなかったよな」そんな人間の話が書かれている。
音楽を作って歌っています!文章も毎日書きます! サポートしてくれたら嬉しいです! がんばって生きます!