万引きしてた男

先日、貰った薬が合計56錠であった。50錠を超えると、爆発的な感じがする。

働いていた古本屋には「万引き」を生業にしている男が数人いた。

新品の本屋で『ONE PIECE』や『NARUTO』、『BLEACH』などの新刊をパクって、僕の働いていた店で売っていた。

泥棒だらけの町だったが、一番ひどいのが、庄司という男だった。

発売日になると、片手に『ONE PIECE』の最新刊を5冊ずつほど持って、売りに来る。一冊200円で買い取っていた。2000円である。それを一日に二、三度繰り返す。

同じ町の中でやっていたらしく、その本屋は潰れてしまった。跡地にはFamily Martがある。

潰れるべきは本屋だったのか、あの泥棒たちの命だったのかは僕には判断ができない。ただ、あの本屋を食い殺した食物連鎖に、僕は確実に関わっている。

そういうことがやたらある。良いことも悪いこともだ。何かしらに僕たちは関わっている。

僕が音楽をやっていることも、酒を断っていることも(七日目)、noteを更新していることもきっと関わっている。

誰かを傷つけてもいるだろうし、救ってもいる。

音楽をやっていなかったら事業をやっていなかっただろう。音楽をやっていなかったらうちの従業員は現在、違う職に就いていたわけだ。

どんなひとでも、関わっていることから逃れられない。自分が振り下ろした刀が誰を殺して、誰を守ったのか。その想像力を失いたくないなぁと思う。

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