体感的な20代と30代の違い
よく「20代は経験を積んだほうがいいよ!」と言われていた。命令通り旅などをしていたこともある。
20代↓
30代↓ていうか先月。
20代のときは気づかなかったが、「経験を積んだほうがいいよ!」の理由がたしかにある。年上のひとたちが言いたくなる気持ちもようやく分かった。その理由としては
・30代は20代よりも自分の肉体のメンテナンスに金と手間と時間がかかる
・精神のメンテナンスに関してはさらにかかる
・アホなフリをするリスクが高い。利口なフリもそれはそれで高い。盛れないし削れなくなる
・初めてやることでも今までの経験を転用してしまう。良くも悪くも
・気を抜くと疲れやすい。だから気を抜けない
・「やりすぎるぐらいやる」を選べない。気が抜けないから。ダメージを負いすぎると致命する。
などと感じる。
「20代は経験を積め」と言うのは「質より量で生きることのできるスーパーターボタイムだから」と同義なのだろう。
しかも20代は「いったんやってみてミスってから考える」ということもできる。すぐに立ち上がれるからロスが少ないし、そうそう致命しない。オマケに回復コストもかからない上に回復時間が早い。
まるでマリオカートでスターをとったかのような車体の頑丈さで、コーナーで壁にぶつかりまくってもスピードが落ちにくいのだ。
30代になると壁にぶつかってから通常の走行速度に戻るまでに時間と手間がやけにかかるようになった。できればぶつかりたくはない。
30代は考え方や感じ方もけっこう変わってくる。
・同世代と価値観が違うとけっこう寂しい。仲間減ってるーとは思う。
・同世代と能力差がある場合、20代の比じゃない。あれは全部誤差だったんだと感じるほど
・なのに将来の不安は激減する。理由は不明。生きることに対する慣れなのか
・年下に対する嫉妬とか羨ましさが激減。自分の中に溢れる妙な善意に気付いてたまに引く
・「丸くなった」とかは案外言われない。外から見たら別に変わらないのかも
・金銭欲の方向性が変わる。欲しいんだけど買い物したいからとかじゃない。何かをするための軍資金として欲しいことが多い
20代↓不安。将来が。
30代↓ていうか今月。不安が激減。
書き出すとまだまだあるんだろうなと思う。年齢は数字に過ぎないので誕生日になった瞬間から変わるわけではないので、感じ始めたのはここ数ヶ月だ。
そしてこれは「大人になった」とかともまた異なる感じがする。
「ものの見方、考え方、志、欲しいものは変わってきたり、その結果として『叶えたい』が夢、希望というより予定っぽくなってくる」とでも言えばいいのだろうか。
この「ドリーム」が「スケジュール」に変わるのは大きい。
「ぼくさー!将来さー!」と走り回っていた20代はどうしても未来の解像度が粗い。対して、『実際訪れた将来』という血も涙もない位置からお送りする30代。もはや夢は夢でもなんでもなく、組んだ予定の結果でしかないことがよく分かるのだ。
そして自分の実力や能力、特性がある程度分かるので、【成功率=アビリティ×他要素】みたいな式が計算しやすい。他要素はカオスなのでほぼ計算通りにいかないが、20代はこの式を全く書けない状態で進もうしていたので、アレに比べればまだ絵図を描ける。
20代は世の中と喧嘩をしていたけど、30代は戦争している感じに近いのかもしれない。
「勢いで殴り合う」というのではなく、軍略があり政治があり、隣国との背景などがあり、それらを加味して勝利を目指す必要がある。
こうなるとおそらく40代は戦後になり、国を統治して行くフェーズに入るのだろう。そこに同盟があるのか、略奪があるのか、侵略があるのか分からないが、やるからには敗戦国にならないようにしたい。
この勘が当たるなら20代で経験を積んで30代で戦争して、その戦果を元に土壌を耕すのが40代で、収穫するのが50代で、配ったり増やしたり蒔いたりするのが60代なのかもしれない。
70代は土に還り、80代はもう自分が何なのかまったく分かっておらず、どんどんあたりが暗くなったように感じるのだろうけれど、これは光が弱まったのではなく、自分という存在が生命という光源から遠ざかっているだけに過ぎないようにも思う。
音楽を作って歌っています!文章も毎日書きます! サポートしてくれたら嬉しいです! がんばって生きます!