いっぱいライブやっといて良かった

「今でしょ！」という流行語があった。

「機会を伺ってばかりではなく、心に火が点いたときにやれよ」という熱いメッセージだ。

今日はライブができたのだが、世界が変わる前と比べるとやはり違う。むしろ同じところのほうが少ない。

ライブハウスやバンドからのイベントの誘いはすべてOKしているのだが、その日自体がバラシになってしまうことが多い。前はこんなことなかった。

感染症の騒動で思ったのは「今でしょ！」で生きてきてよかったということだ。

公演を年間120本以上重ねた時期があった。
あんな暴挙ができる世界は再び訪れるのだろうか。このまま世の中が戻らないなら「二度とできない」という可能性もある。

思うのだ、やっていて良かったと。

子どもの頃に食べ残した夢の残骸を、今もダラダラ食っている。でもこれを食べられるのも歯があるうちだ。すべて抜け落ちれば噛むこともできない。
僕たちパフォーマーの前歯、奥歯、糸切り歯は今年盛大にブチ折られた。

しかし、これもまた過ぎ去る。元に戻る、ということではなく流れていく。

きっと今日、このタイミングでしかできないことがある。でもこれは月日が経ってから気付くのだ。「あのときしかできなかったな」と。

これが「やっておけばよかったな。あのときやれたな」で死んでしまうならば哀しいことだ。

人間に与えられた時間はそう変わらない。

地球No1の大富豪と貯蓄の額はケタ違いだろうが、一日の保有時間は同じ24時間だ。

やり残したことを掃除して死にたいものだ。