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居心地の悪い湯に浸かっていると、自分が自分じゃない気がしてくること

FMの収録で富山に来ている。来た回数は少ないが好きである。

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僕は関西人だし、北陸は縁もゆかりもない地方と言えるのだがなぜか好んでいる。

北陸や上越というエリアは初めて行く場であっても好きなせいか安心して訪れられる。此度のお仕事もリモートでも良かったのだが、直接向かった。

僕の北陸いきなり好き率はまず外さない。

思い返せば、数年前、佐渡ヶ島に訪れたときも出だしから好きだったし、金沢も同じくだった。

どこもかしこも好きになるプロセスなしでいきなり愛している。理屈ではなく、降り立つと肌が「ここ好き」と叫んでいる感じがするのだ。

縁もゆかりもないだけあって、北陸や上越に友だちが多いわけでもないし、好きな観光地があるわけでもない。というより北陸のどこに何があるかをよく知らない。食も同様に名産が何かも知らない。寒いエリアなので、もちろん美味いものばかりだけど、美味いものならば別の地方にもある。

おそらく占い師に「寒いとこ好きなんすよね、でも東北とか北海道より北陸系なんすよ」と言ったら「アンタ前世そこで魚やってたのよ!」と告げられるのであろう。

こういった「性に合う」「肌に合う」というものがいくつかある。音楽でもお笑いでも仕事でも人間でもある。

反対に「性に合わない」「肌に合わない」というものだってある。居心地の悪い湯に浸かっていると、自分が自分じゃない気がしてくることはないだろうか。

「好き嫌いはなくせよ」という論調もあるが、この気性と肌のセンサーはある程度敏感肌になっておく方がいい。何が好きで何が悪いか分からなくなると、メリットデメリットでしか考えられなくなる。投資はできても消費はできなくなる。

「これが好きでこれが嫌い」というのが何となく分かるひとは不思議と信用できるし付き合いやすい。喜ばせたいときは好きっぽいことをすればいいし、不快になりそうなことはやらないでいられる。

富山ソウルパワーというライブハウスがあったが、潰れてしまった。

店長はまだ未知のウイルスだった頃の新型コロナにかかり、やたらと騒がれ、一躍、時の人となり、そのタイミングで店も一緒に畳まれた。

二度と会えないと思っていたのだが、会いに来てくれた。深夜1時までファミレスで音楽の話をしていた。圧倒的に好きな湯であった。

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