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音楽はめちゃくちゃ厳しい仕事なので他のことがうまくなる

最初に作曲をした日から22年も経ってしまった。

長く続けてりゃ偉いわけじゃないが、これほどまで継続した自分にも驚きである。

「辞めるタイミングがなかったか?」と聞かれたらそうではない。

いつだってどんな場合でも辞めたほうが良かった気もする。それでも辞めなかったおかげで僕は自殺もせず、人生を投げっぱなしにもせず人間を続けられている。

もちろん人生長いので、どこかで「自ら死ぬ気もないが、駄目になっちゃう」ということがあるのかもしれない。別の世界線、パラレルワールドでは僕もあなたも駄目になってしまっているかもしれない。

駄目になった場合のファイナンシャルプランは「生活保護を受給しながら、西成で孤独にアル中になり、どこかの冬で野垂れ死ぬ」というコースを用意しているのだが、今のところ向上心も垂れず、文化的暮らしをやれている。まだこの切り札を打たなくてもいいのだと思う。

では「なぜなんとかなっているのか」と考えると「音楽を続けてこれたから」に他ならない。

「CDを売るから、チケットを売るから、グッズを売るから」なんて理由でもない。「音楽はめちゃくちゃ厳しい仕事。そのせいで強くなった」からだ。

これは『亀仙人のとこで甲羅背負しょって修行したから身体が軽くなる現象』と寸分の違いもなく同じである。

たまにいろんな業界の経営者なんやらと会うのだが、お金持ちもいれば嫌なやつもいる。勘違いした吹き上がったアホもいれば、素晴らしい人間性の持ち主もいる。

ただ、やはり『音楽関係者』というのは平均してビジネス戦闘力が高い。地頭も良いし、発想力も他業種と比べても飛び抜けている。ライブハウスの店長(特に創業系の)なんかはその中でもかなり飛んでいる。

僕が思うにこの世界が「厳しい」からなんじゃないかと思う。

市場規模からすると、エンタメというのはとても小さい産業だが、そんな作物が獲れない畑から何かを生み出す感性に優れているし、小さな畑から大きな収穫をするバイタリティが凄まじい。

僕もそんなスーパーハードモードの界隈で呼吸をさせてもらっている。初めてCDを流通したのが2007年とかだったと思う。ずいぶんとこの世界の様相は変わった。

好きなことを大人になってまで続けているのはファンタスティックなのだけど、では「ずっと楽しかったか?」と振り返ると全然そんなことはない。

「理不尽そのもの!」がほとんどだし、つらかったことのほうばかり覚えている。まぁ「厳しい世界」なのだから当然である。

だけどその中で「やらなきゃいけないこと」に向き合ってきた。「やりたいこと」のために「やりたくないこと」について試行錯誤してきた。そうしないと続けてこれなかった。

でもこれは大変なことでもないのだと思う。

そもそも「楽しいこと」と「やるべきこと」は別なのだ。

人間はアホなので勘違いしてしまうし、「やるべきことが楽しくないことです!」という訳の分からないことを、あたかも大発見やスランプのような文脈に置き換えてしまう。

「楽しくないこと」を大問題のように語っていると何にもならない。

ただ「やるべきこと」を一日ずつ積み上げていくことも、積み上がったものを引きで見ると「強くなった!」と嬉しくなったりぐらいはある。

なんで強くならなくてはいけないのかと聞かれたらもちろんギャルに「あらん❤️あなた とってもつよいのね〜ウッフーン」といわれるためではない。

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