別れる彼ら!

あした別れが決まっていたら、過ごし方を変える関係がほとんどだと思う。

喧嘩した友達、腹の立つ両親、自己中な恋人。

親しいひとほど距離感がおかしくなり、いがみ合いがちだ。

すれ違うひとや近所のファミマ店員とは喧嘩しないのに、同僚とは叩き合ったりする。

バンドメンバーもサポートのときは仲が良いのに、正式メンバーになったら仲違いする。

恋人もクラスメイトだったときの方が、付き合う前より失礼が無かったりする。

「別れの感覚」が麻痺していると、こういう現象が起きやすくなる。

「ずっといるひと」というのは、どうにも緊張感がなくなるらしい。

しかし、考えてみてほしい。

「では、俺はこのひとと、どれぐらい一緒にいるつもりなんだろうか?」と。

僕は元バンドメンバーにも、元恋人にも会えていない。

毎日顔を合わせていたのに、二度と会えなくなったひとが山盛りだ。

会えなくなったことに後悔はないが、「ベストな過ごし方」をしたとは思えない。

いつだって100点は取れないけれど、少し寂しくもある。「もっと良く別れられたのではないか」と思ってしまいもする。

最後の日は突風みたいにやってくる。

一緒にいるひとを、大事にできるうちに、労う時間はわりと無いみたいだ。

親しい他人を大事にしたい。いつか別れるからだ。

だけど、自分のことだって大事にしないといけない。死ぬまで一緒とは言え、自分自身ともある日、別れることになる。

生きるって思っているより時間が無い。

気が付けば、全然知らない街で暮らしているし、彼も彼も彼も、もう誰一人としていないではないか、俺よ。


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