やりたいことリストで夢から覚める
以前、Twitterで「やりたいことリスト」というものが話題になっていた。
「ドリームや目標、憧れを100個ぐらいiPhoneのメモ帳などに書いておき、一つずつクリアしていけばハッピーだよね‼️」というものだ。
僕はやっているわけではないのだが、何人かの知り合いがやっている。半年ほど前に「見せろよ」と言い、見せてもらったことがある。
そこには金や女、地位名誉と、この世の欲望のすべてを置いてきたような文字たちが踊っていて、なんというか、かなり血糖値が上がりそうな内容となっていた。
「まぁ叶うと……いいね……」と言ったが、そのうちのいくつかはバッチリ達成したそうだ。
やはり「書くこと」には威力があるのか、何もせずに手に入りはしないだろうが、無意味ではないのだろう。僕自身も書いたことで叶った経験はある。
さて、この「やりたいことリスト」もコツがある。このコツを使わないと効果が半減してしまう。
それが『タイミング』と『順位付け』だ。
『タイミング』というのはドリームにおいて、最も重要な要素だ。「今さら叶ってももういらんねん!」ということが山盛りだからだ。夢には賞味期限があると言える。
分かりやすく考えると、25歳のときに食べたいものと85歳のときに食べたいものは変わってくる。
行きたい場所だって会いたいひとだって、なりたいものだって変わる。25歳で「孫と二人で海外に行きたい」とか言わないだろうし、85歳で「アイドルになりたいんじゃ、わしは」とも言わないだろう。
これは大きな年齢の差による違いだが、もっと小さく考えても同じだ。
朝したいことと夜したいことは違う。今年の一月に望んでいたことと、六月に望むことでさえもマイナーチェンジされる。
だから「やりたいことリスト」を作って挑んでいくならば、『やりたい順に上から10ぐらい順位づけしておき、ランキングの変更を三ヶ月に一度ぐらい見直す』という作業が必要になる。これをしとくとどちらか迷ったとき、大事なほうをセレクトできる。
僕もやりたいこと、なりたいものが多いけれど、振り返ると、すでにクリアしてたりするものがあったり、もはやどうでも良くなったことが多い。
22歳ぐらいのときはMATSURI SUDIOみたいに「マイレコーディングスタジオ」のオーナーになるのが夢だった。もはや完全にどうでもいい。金銭的、心理的な管理コストを考えると、今やむしろ絶対ほしくない。
逆にあの頃はそんなコストなんて、「欲しい」という想いを果たせるなら小さなものだった。これはリスクヘッジが大きくなったというより、想いが小さくなったのだろう。
たぶん、25歳ぐらいからいろんなレコーディングスタジオで制作をさせてもらう機会に恵まれたからだろう。マイスタジオよりもいろんな場所、いろんなエンジニアと関わるほうが楽しかったのだ。
ひとは経験だったり環境だったり、付き合うメンバーで価値観が変わる。あれだけ欲しかったレコスタも要らなくなるのだから不思議なものだ。
欲しいものが変わることは悪いことでも何でもない。新しく叶えたいものができるのに悪いはずがない。
悪いのは変わったことに気付かず、叶えたくもない夢の中で目を覚まさないことだ。
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