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2017年2月の記事一覧
バーにいた変な子持ちの女の話
実社会では分かりやすいこと、明確であることが求められるらしい。
それでも言い切れるのは、世の中には曖昧さを持ってしか話せないようなこともあるということだ。
そしてその中にこそ、本当に大事なものがあるんじゃないだろうか。
あの頃、そんな曖昧さを求めて逃げ込む場所があった。
商店街の中にある小さなバーだった。
ジャックジョンソンがいつまでも流れていて、マスターは無口だったが、綺麗な店だった。
ストリートライブをしていたら女の子と出会った話
大阪に住んでいた頃、毎日のように高架下で歌っていた。ストリートライブというものがやりやすい街だった。
ふつうに暮らしていたら会えないようなひとたちと出会った。
よかった思い出もあるけど、飲んで、モメて、争って、借りて、奪って、奪われて、壊して、壊されてだって繰り返した。
僕も態度が良くなかったし、今よりも苦しかった。だから、むかしに戻りたいわけじゃない。
だけど、ひとにはそ
メイドカフェでバイトしてた時の話
四月の夜、僕はまた路上で歌っていた。
もう昼夜問わず暖かくなっている頃だったので、ずいぶんやりやすくなっていた。
高架下で、誰も知らない歌を歌って、知らない酔っ払いが少し聴いて、すぐに去っていく。そのルーティンは心地良かった。たまに声をかけてくれたり、お金をくれるひともいた。
その日も延々と歌っていた。
しかし気がつくと、誰も高架下を通らない時刻になっていた。
誰も聴いていない時間も嫌い