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新書はいいぞ

新書とは何か

皆さんは、「新書」を読むだろうか。

新書って、例えばこういうやつ。

家の本棚から引っ張り出してきた新書たち

正確に言うと、新書判(105×173mm)の本のことだ。文庫より縦長な感じ。

いろんな分野の導入としての知識が収まっていることが多い。その分野は非常に多岐にわたる。歴史、科学、宗教、哲学等々。

そしていろんなレーベルがある。岩波新書、ちくま新書、中公新書、講談社現代新書、ブルーバックスなどなど。

その中で新書の始まりは1938年の岩波新書の創刊であったらしい。

すごくたくさん、部屋が埋まるほど読むわけではないが、僕は新書を読むのが好きだ。手軽にいろいろなテーマに触れられるしそこが次への扉になりえる。しかもいろいろな角度から話題が論じられている。

新書ファン。そういうことになる。

あと、新書が好きな理由としては指がほんの少し細長い僕の手へのおさまりがいい。

最近、たまたまとった大学の授業の中で先生が、「新書を一か月に一冊読むだけで違う。」ということを言っていて。心の中で首がとれるほどうなずいた。

今回は皆さんにもっと新書を手に取っていただきたいという意味も込めながら、僕が最近買った新書を紹介したいと思う。

最近買った新書① 「砂糖の世界史」

一つ目は「砂糖の世界史」(著 川北稔氏)

岩波ジュニア新書から出されているものだ。

岩波ジュニア新書は小中学生から大人まで読めるようにという新書で文章がすごくわかりやすい。ちなみに最初のほうに出てきた画像の中の「仏教入門」(著 松尾剛次氏)もその一冊である。これは入門書として大学の先生に薦められたものだ。

僕が書店で「砂糖の世界史」を買ったときはちょっと装丁が違っていて、同じ岩波書店の岩波新書の装丁に寄せたものになっていた。

この「特装版ジュニア新書」は3種発売されているらしい。

さて、この「砂糖の世界史」であるが、めちゃくちゃ面白かった。さすが名著である。世界商品である砂糖は、世界中の社会システムや文化に何を与えたのか、これをひたすら追っていく内容となっていく。

もちろんそれは明るい面だけではない。奴隷制度は強く表れた闇の部分である。

僕自身、高校で世界史Bをとって学んでいたが、その時はただのアホだったので、やんわり勉強していた。改めて今この新書を読んで知っている言葉と流れを「へえー」と声を上げながら脳に刷り込んでいくのが快感でならない。

もちろん、何も知らない状態でも面白い。むしろ世界史の流れの入門書の一つだろう。

最近買った新書② 「私とは何か――「個人」から「分人」へ」

最近買った新書、二つ目は「私とは何か――「個人」から「分人」へ」(著 平野啓一郎氏)である。

こちらもすごく有名な一冊だ。

ここに書かれている「分人」という概念を知ったのはおそらく中学か高校の現代文の教科書でのことだった。

すごく今更ではあるが、現在進行形で「自分」に関してすごく悩んでいたので買ってみた。

我々、人は「個人」という一つの存在でくくることができるのだろうか。その個人は日常の中で首尾一貫しているといえるのか。

ある人の前ではこんな調子で、またある人の前ではこういう風に接しているというような状況は単に違う存在を「演じて」いるのだろうか。

このようなモヤモヤにぶつけられたのが、筆者の言う「分人」なのだ。

大学生になって、この考え方に触れると頭が整理されるとともに新しい発見がある。

この新書を通して読んで私はそれらの問題が含まれているらしい平野啓一郎さんの小説をものすごく読んでみたいと思った。そういう新しい扉だった。

新書を掘り当てること

さて、2つの本をご紹介した。今回は比較的有名なタイトルであったが、新書はそれ以外にも多種多様なタイトルがある。(私自身ミーハー気質なので、それっぽいのを買いがちなんですけどね…)

新書で自分の興味領域を切り拓くのは結構楽しい。そして系統の違う新書を本棚にいっぱいおさめるのはめちゃ楽しい。

読書の頻度が少ない方も(僕もその一人)、新書の扉をたたいて、開いてみてほしい。

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