中二病とファッション
今日は「人と違いたい」という感情について深掘りしてみようと思う。特に、デザイナーとして生きるためには中二病の心を忘れないことが重要だというテーマで話す。ファッションにおいて、この感情は非常に根本的なものであり、それが成功につながる過程でもある。
人と違いたいという価値
ファッションに興味を持ち始めると、最初は他人の真似をすることから始まる。おしゃれな人のスタイルを模倣し、大衆受けするスタイルを試す。しかし、次第に個性を追求する段階に入る。これは、人間の本能に根ざした行動だ。縄文・弥生時代、人間は100〜200人くらいの小さな群れの中で生きていた。その時代の人間の死因の中で多くを占めるのは群れの中での殺人である。生存のためにはまず自分が群れの中の輪を乱さない人間であることを示さなければならない。群れの中で最も多数の人にウケる選択を取る。そして、群れの中で評価が高まってきた段階で自分が他者よりも優れていることを示す。これが個性を出す段階であり、自分の価値を示すことは生存のために必要だった。
現代のインスタ映えやSNSでの自己表現は、社会の中で自分の価値を示す手段である。これは本能レベルの話であり、承認欲求というのはこの本能を後付けで示す言葉に過ぎない。
ファッションにおける個性の追求
ファッションが好きになるにつれて、自分の周りの友達や仲間もファッション好きが多くなる。その群れの中で自分が価値のある存在であることを示すために、流行りのスタイルを真似しなければならない。そして、群れの中で優位に立つために個性を出してスタイルを探求する。ファッションにおいてこの個性を出すという作業は、中二病でなければできないと考えている。
中二病と反骨精神
中二病という言葉は、日本では独特の反骨精神や他人と違うことを追求する姿勢を揶揄する言葉として使われる。川久保玲氏のようなファッションデザイナーも、この反骨精神を持ちながら自分の独自性を貫いてきた。彼女の作品は他人に理解されないことも多く、それでも自分のスタイルを信じて続けた結果、世界的に評価された。
痛さと個性の関係
中二病であるというのは既存の枠組みやスタイルを批判することと似ている。新たなスタイルや流行というのは、皆の固定観念を打ち破り、みんなが右を向いている中で自分だけ左を向くような形で生まれてきた。個性を出すというのは、どれだけ成長しても世間に「痛い」と言われることに耐え続けて、中二病的であり続けないといけない。
成功するまでは「痛い」と思われるかもしれないが、その痛みを耐え抜くことで、やがてその独自性が評価される日が来る。つまり、成功するまでは中二病であることを恐れずに進むことが重要だ。
私は中二病であり続けようと思う。
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