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【34】目と耳で感じる世界

さっきまで仲のいい友達と電話をしていた。ほんとに他愛のない世間話。

「飲みに行って」「遊んで」そんな楽しそうな色のついた単語が僕の耳になだれ込んでくる。なんだか久しぶりに聞いた懐かしい響きを感じて、また自分がいるところのいろんな意味での日本との距離感を思い知らされる。

でも、僕がこの島にいるのもあともう一週間。その後はナイロビに出て、少し滞在して、日本に帰る。

こっちに来てから遠かった場所にやっと戻る。速かったようなそうでないような。あっという間だった気もするしそうでない気もする。

日本に帰国してから振り返ると「任地での生活が夢のようだった」と感じるらしいと協力隊の人から聞いたことがある。僕は協力隊ではないけど、なんとなく、わかる気がする。僕にとって今、日本にいたときの生活がすべて夢のように感じているから。

きっとその逆もまた然りで、日本に帰ったらこっちでの生活が夢のように感じてしまうのかもしれない。

ほんとに辛いことがたくさんあったけど、不思議とそう考えると少し悲しい気もする。僕が日本を遠く感じていることを悲しいと考えるように。

あと帰国まで13日。きっとあっという間に過ぎてしまうと思う。友達と電話をしていて聞こえてくる単語はたしかに遠いけれど、心なしか近づいてきているように感じた。

それなのに、目の前に広がる風景は満月に照らされた鶏舎、とうろもこしを保管しておく木造倉庫、土壁の家。

目と耳で、こんなに感じる世界が違うと思ったのは初めてだったと思う。

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