【45】ケニアの島の、風に吹かれて。
「我々は、所詮、その国の土にはなれない。でも、その国の風になることはできるんだ。」
僕は昨日、ナイロビについた。まだ少しふわふわした妙な感覚が体にまとわりついている。初めて島に来たときのような、別の世界に来たときのような。
今ステイしているところは日本人の方の家で、たまたま本棚にあった「アフリカの風に吹かれて」という本を手に取って、帯に書いてあったこの一言が目に入った。
「我々は、所詮、その国の土にはなれない。でも、その国の風になることはできるんだ。」
僕たち余所者は、決してその国の土になることはできない。でも、風となって土に作物が芽吹くように、その土を耕すことはきっとできる。
僕が現地で頑張る現地の人を応援したいとずっと思っていたことが、きれいな言葉に翻訳されていったようだった。
僕にとっては、風を吹かせることすら難しかった。あの島のHIV問題は本当に根が深く、たくさんの要因が複雑に絡まり合っている。自分がいかに力不足なのかを痛いほど思い知った。
どんなに小さな風でもいいから、いつか僕が吹かせられるように。吹いた風が、誰かの背中を押す追い風となれるように。
そんなことを少し思った。そしてそれは、僕がずっとやりたいと思っていたことだ。これからもそうであってほしいと思う。
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