安い土地には「落とし穴」がつきもの?~マイホームの土地探し~
こんにちは。
建築コンサルタントのtakumiです。
今回は、「安い土地」のお話です。
「土地が安いぶん、家に回せるからお得!」なんて意見やブログ記事もたまにありますが、誰がそんな無責任なことを言うのかなぁ、と呆れます。
安い土地というのは、それなりの理由があります。
例えば
・駅から遠い
・お店が少なく利便性が悪い
・学校が遠い
など、わかりやすいものもありますが、何となくデメリットは分かるけど、かなりお得感がする、というような欠点が分かりにくい土地もあります。
土地は価格だけで決めるのではなく、必ず安い理由をチェックし、きちんとデメリットを把握しておくようにしましょう。
◆私道にしか接していない
私道っていうのは、公共の道ではなく、企業や個人が所有している道です。
その道を使う人達で持ちあっている(共有名義)場合もあります。
公共の道じゃないと、道路の維持管理が悪かったり、道路状況による事故の際もトラブルになりがちなものです。
そもそも、トラブルがないように公共が道路を管理しているのですから、トラブルになって当然ですね。
ややこしい事になっても仕方がない、という覚悟があれば、私道もありかもしれませんが、できれば避けたい形態です。
◆変形地
形が良くない土地ですね。
「細長い」や「三角形」など、整形でなかったり、傾斜していて高低差が大きかったり。
もちろん、計画する間取りや屋外計画に影響がなければ良いのですが、間取りが敷地の形に影響されて細長くなったり、三角になったりすると、明らかに住みにくい家になります。
高低差もそうですね。スキップフロアで段差解消できれば良いですが、無意味に段差があると使いにくいものです。
また、風水的にみても、変形地というのはあまり良いとはされていませんから、よく考えないと後悔しそうです。
変形地は、間取りや屋外計画をきちんと計画できることが明らかになってから、購入するようにしましょう。
◆旗竿敷地
この旗竿敷地も、相場よりも安く売り出されているため、よく「お得」という意見を聞きますが、コスト面よりもデメリットが大きくなるので、注意したいところです。
まず、四方を建物に囲まれると日当たりが悪くなる可能性が高いので、よほど大きな面積がないと、1階は暗くなりがちです。
また、建物に囲まれると風通しも悪くなります。
建物間が狭いと、湿気も溜まりやすく暗くてジメジメした土地となることもあります。
プライバシー性にも注意が必要で、四方に建物があるのですから、四方に窓があることになります。
そもそも、建築基準法で「道路」に接しないといけないという規定がありますが、これは、緊急車両が家の前まで来られることや、日当たり・風通しが悪くならないよう道路に面する前面は開放されている必要性を意味します。
「四方を建物に囲まれている」ということのデメリットをきちんと押さえておきましょう。
◆まとめ
このように、平均価格より安い土地は、その形態・理由によって様々なデメリットがあります。
また、このような土地は、売る際にも大きなデメリットとなりますから、「売れない」ことも多々あります。
「私道って、よく分からないけど安いならお得!」
「変形地は建てにくいだけで、なんとかなるからお得!」
「旗竿地は、道に面してないだけで、安くてお得!」
と、軽く考えずに、家族や知人など多くの人の意見も聞きながらじっくり検討しましょう。
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