マイホームの「耐震」のホントの話!~「直下率」も間違った解説が多い!!
こんにちは!
建築コンサルタントのtakumi です。
みなさんもちろん、家を建てるときには地震に強い家を建てたいですよね?
家づくりのフォロー、コンサルティングをしていても、皆さん耐震についてはすごく気になるところなのに、全く分からない…という方が多いものです。
本日は「耐震のホントのこと!」ついてお話します。
といっても、耐震のお話は、結構、専門的なことがほとんどですので、基本的なところをまず押さえていただければと思っております!
といっても、ちょっとだけ難しいかも(^^;
・・・で、逆に、もっと詳しく知りたい方は、コラムの最後に耐震についての私のブログ記事へのリンクがありますので、じっくりお読みくださいませ。
耐震ってそもそもなに?
まず、耐震って何なの?って話ですよね。
その名の通り、「地震」に「耐える」と書きますから、ガッチリと地震に対して踏ん張ります。
逆に、免震とか制震って聞いたこともあるかと思いますが、これらは地震の力をサラッとかわしたり逃れたりするイメージです。
戸建て住宅の場合は、ほとんどが耐震構造です。
最近は耐震構造に、プラスして制震ダンパーを付けているハウスメーカーも多くなってきていますが、これは基本的には耐震構造となります。
(制震ダンパーは地震に有効に効きますが、あくまでもプラスアルファの要素なのです。)
ま、難しいことはここでは無しにして(笑)、戸建て住宅の耐震構造っていうのは、下の図のように「耐力壁」で地震に対抗することになります。↓↓↓
耐力壁っていうのは、昔ながらの筋違い(すじかい)と呼ばれるナナメの材料や、構造用合板といった面の材料があり、一般的には面の材料をメインに使用しています。
この耐力壁を決められた量以上に、建物にバランス良く配置して、地震に耐えるということになりますね。
耐震等級って、なにがどうなの?
地震に対する強さのものさしとして、「耐震等級」というものを聞いたことがあるかも知れませんね。
正確には品確法※という法律による「住宅性能評価書」、つまりは建物のお墨付きをもらいたい場合のレベル値です。
※「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)の制度で、住宅の品質や性能を等級で表示し、建物の性能を評価書という形で示すものです。
耐震等級は、この性能評価の「耐震」に関する指標で、等級は一番下が1等級、最高は3等級となっています。
耐震等級のベースとなる等級1というのは、建築基準法の規定を満足していることになります。
・耐震等級1···建築基準法と同等の耐震性能
・耐震等級2···建築基準法の1.25倍
・耐震等級3···建築基準法の1.5倍
ここで、「建築基準法を満足していたら、安全じゃないの?」
と思いますよね?
一応、安全とはいえます。
「一応って、、、」
というのも、耐震で建築基準法ギリギリの場合、
大きな地震で建物は倒壊しないが、損壊する可能性あり。
というレベルなんです。
人命を守るための法律ですので、建物が壊れることは許容してるんです。
ですので、
大きな地震がきても、建物も無事で、使い続けたいという場合は、等級を上げないといけません。
直下率ってなに?~プロでもしている間違った直下率の見方~
さて、では今度は壁の「直下率」というものです。
もしかしたらこれも聞いたことがあるかもしれませんね。
壁の直下率というのは、2階建てであれば1階と2階で耐力壁の位置が上下にそろっている割合のことです。
この「壁の直下率」が、50%や60%なければ、といった記事も見かけます。
でも、ちょっと違うんですね、実は。
壁の直下率が、何%以上ないとダメ、なんていう考えや規定は無いのですよ。。。
これって、熊本地震の後に、壁の直下率がクローズアップされたのですが、実は倒壊する建物は壁の直下率が原因ではなくて、全体的な耐力壁のバランスの悪さや、そもそもの工事の施工の悪さが原因だったことも報告されています。
壁の直下率が低くても、高い耐震性は確保できますし、耐震等級3だって確保できます。
で、真実はといいますと、
地震なんかの水平の力に対して、筋違い(すじかい)や構造用合板といった耐力壁が変形しないように踏ん張ります。
この「踏ん張った力」が伝達いったいどうやって伝達されるかというと、「梁」を伝って「柱」へ流れていきます。
こんな感じです↓↓↓
水平の外力(地震の力)⇒耐力壁で受ける!⇒梁に流れる⇒柱に流れる⇒基礎⇒地面
って感じです。
上下に耐力壁があっても、連動して強くなる訳では無いんです。
逆に、かなり大切なのが、「柱の直下率」ということになります。
要は、耐力壁の力が流れる柱の位置が、1階と2階で合っていないとダメだということです。
こういうのがダメだということですね↓↓↓
こういうの、たまにあります。
工事はできてしまいますから、こわいですよね。
耐震的には良くない事例です。注意しましょう!!
それでは今日はこのへんで。
お読みいただきありがとうございました。
耐震に関してさらに詳しく知りたい方はこちらで勉強してください!↓↓↓
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