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建築家に住まいの設計を依頼する必要性はあるのか?

こんにちは。

建築コンサルタントのtakumiです。

今回は、「建築家に家づくりを依頼する」ことの意味を考え書き記したので、共有したいと思います。

◆はじめに

先日、お客さんから問い合わせを受けた件である。

無料の建築家相談サイトに、地元工務店と進めている間取りの相談をしたところ、

とある建築家に「思想がない」とか「家族の団欒が見えない」などとかなり厳しく指摘され、

たまらず私の所へ焦って相談にこられた、というものである。

(この場合、建築家は批判をしないと商売に繋がらないから、当山のごとく厳しく批判するものである。)

このやり取りを聞いてひとつ思うことは、住まいにそもそも、「思想」というものが必ずしもいるのだろうか?

ということである。

そこで、今回のテーマは、家づくりに建築家は必要なのか?というものである。

私も有名建築家の作品を見るのは好きな方で、昔は色んな作品を見学しに行ったものである。


◆建築家とはなんぞや?

まず、建築家というのはなんだろうか。

Wikipediaでは、


建築家(けんちくか、architect)は、一般的に建築における建物の設計や工事の監理などを職業とする専門家のことである。

となっている。

このように、「設計と監理を生業とする者が建築家である」としているが、私の感覚は少し違う。

設計事務所を設けて設計を生業とする者は実はたくさんおり、その中でも建築に「思想」や「芸術性」を取り入れているのが建築家であると思うのである。

だいたい、「〇〇家」というものは、特段、資格も必要とせず、独自の思想や感性を押し出す職業に多い言い方である。

「芸術家」「思想家」「書道家」「華道家」「漫画家」「茶道家」などなど、それを名乗ることは資格も必要としない職業に多い。

それと、独特の思想や芸術性を持たない設計事務所はいくらでもいるが、彼らは建築家とは名乗らない。(単に設計事務所の設計士である。)

それは悪いことではなく、そもそも思想や芸術性が必要でない施主も多くいるため、「必要最小限の設計をお安くする」設計士は必要な存在であると思う。

このように、建築家というのは単に施主の要望を形にするだけでなく、建築に思想や芸術性を注ぎ込む、要は付加価値をつけることで、存在意義をなす職業と言えるわけである。

◆建築家にはお金がかかる

一般的に、住宅の設計は、工事費の5~10%程度となることが多いため、工事費が2000万円なら本来は100万円~200万円は必要である。

(工事監理を入れて、工事費の15%程度)

検討すべきこと、作る図面や資料を鑑みるとこれくらいは当然なのです。

建築家ではない設計事務所なら、規模や難易度にもよるが平均的にはそのくらいである。

しかし、ハウスメーカーやビルダーでは30万~50万程度が良いところである。宜しくないことだが、設計が無料のところもある。

(無料で喜んでたらダメで、無料の設計って恐ろしい!と思わなければ、、、)

こういったところがなぜ安いのかは、また違う機会に説明するが、要は図面も少なく検討するところも少ない設計だということである。

そして建築家の場合はというと、設計料が数百万円となることもある。通常の設計だけでほなく、独自の思想や芸術性が入るからである。

もちろん、大満足の作品ができれば言うことは無いが、悲しいことに、落胆する結果となることも可能性としてはあることを理解しなければならない。

◆「家づくりの思想」への対価

家づくりをする際に、「思想」というのは必要なのか?

まず、建築家が言う思想はおそらく哲学的なものである。

しかし、住まいに最低限必要なものは、思想や哲学では無く、もっとシンプルなものである。

「家族の団欒」、「安心して暮らせる」、「健康的である」・・・

思想というより、家に求める機能、もしくはあって当然の機能という方があっているかもしれない。

(この辺りを家づくりの「思想」に置く建築家なら、平凡も甚だしいが。。。)

そういうシンプルなものではなく、建築家は手がける作品に唯一無二の意味合いを持たせるのである。

では、住まいに建築家の哲学的思想や芸術性は必要なのか?ということである。

答えは簡単で、人それぞれである。

怒られるかもしれないが、余裕があれば建築家にお願いするのも良い。余裕がなければ、ハウスメーカーや工務店の設計でも、立派な住まいにできる可能性は十分ある。


◆建築家に依頼すべき人

では、建築家にお願いをするのはどういう時なのか。

それは、
その建築家の思想が好き、デザインが好き、作風が好き、
だからその建築家に依頼する

ということである。

その建築家のもつカリスマ性やブランド力のようなものかもしれない。

もちろん、「予算に余裕があれば」という金銭的な面も大きいが、本来は建築家の「人」に魅力があるから依頼するものである。

「誰でもいいから建築家に」では失敗する。

建築家は自身の思想や芸術性を注ぎ込むため、家づくりの理想がある程度描けている人、こだわりが多い人、細かい人には、建築家の提案が押し付けがましくなってくるので合わないことが多い。

(余談であり、例外もあるが、一般的に建築家は構造に疎いことも多い。)

建築家に頼むべき人は、その建築家の思想が好きであり、その建築家のファンであり、その建築家の創る作品だから住みたい人である。

そして、「好きな建築家の作品だから少々失敗しても諦められる」、という覚悟がある人である。

建築家もピンキリである。

誰かしら建築家に依頼すれば成功するという考えではなく、吟味しないと失敗することになる。

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