身近な意匠シリーズvol.01「建物のデザインって権利がとれるの?(建築物の意匠について)前編(全3回)」
この記事はこんな方におススメ!✨
✅ 工務店・ハウスメーカーの経営者・設計担当者・営業担当者
✅ 注文住宅で家を建てる予定の方
✅ 最近注文住宅で家を建てた方
このブログは、ものづくりを行う全ての人向けに、”意匠実務のプロフェッショナル集団”である「弁理士法人匠(たくみ)」(https://takumi-design.tokyo/)が、デザインの権利である「意匠権」の素晴らしさを知ってもらうべく「どこよりもわかりやすく」をコンセプトに意匠権にまつわる情報を発信していきます!
自己紹介
羽鳥 慎也。群馬在住の30代弁理士
成蹊大学理工学研究科大学院在学中、弁理士資格を取得後、都内特許事務所を経て、日本弁理士会よりJETROニューデリー(インド)事務所へ2年間出向。その後、大手特許事務所に勤務し、数多くの意匠出願に携わって来ました。現在は主に群馬の地場産業を意匠権などの知的財産で盛り上げるべく、日々邁進中です!
趣味は国内外旅行、サウナ、株式投資
🟢 役職
弁理士法人匠 副所長
羽鳥国際特許商標事務所 副所長
IPTech弁理士法人 意匠顧問
🟢 所属
日本弁理士会
日本弁理士会意匠委員会 副委員長(2022年~)
1.はじめに
注文住宅は一生に一度という方が多く、一生に一度のお買い物と言われますよね。それゆえ、長い時間をかけ、こだわりをもって建築する方が多いと思います。せっかく考えた建物のデザイン、勝手に真似されてしまっては嫌ですよね・・・
実は、建物のデザインは意匠権(いしょうけん)という権利で守ることが可能です。
意匠権とは、物、建築物、画像のデザインを保護するための権利です。
「特許権」「商標権」「著作権」は聞いたことがあるけど「意匠権」という言葉は馴染みがないかもしれません。
「知的財産権」の中でも比較的マニアックなのが「意匠権」ですが、デザインを保護するために重要な権利になります。
弁理士法人匠(たくみ)は「意匠権」に特化した弁理士法人として設立されました。意匠権を身近に感じてもらうために、まずは数回にわたり「意匠権とはどんなものなのか?」「意匠権を活用するとどんなデザインをまもることができるのか?」「意匠権を取得するための手続きは?」などを説明していきたいと思います。
特に意匠法は近年「法改正」も盛んな法律の一つであり、その権利範囲がどんどん拡充されてきています。
今回は令和元年の意匠法改正により拡充された権利範囲の一つである「建物の意匠権」について、全3回に分けて紹介したいと思います。
「え、建物も意匠権として保護されるの?」と驚く方もいるかもしれませんが、本当です。法改正により、建物も意匠権の対象となり、デザインが新規で独創的であれば意匠登録を行うことができるようになりました!
それでは、さっそくですが、どのような建物が実際に意匠権を取得しているか、いくつか紹介していきます。
2.登録事例の紹介
建物の意匠権として登録なっているものとして例えば以下のようなものがあります。
こちらは株式会社ベツダイ様が保有する意匠権です。実際に湯布院にモデルハウスがあり、“現代の和”の暮らしを体現する「あたらしくて、なつかしい日本の家」をコンセプトにした建物です。
(ソース:https://betsudaihome.jp/informations/event/nihonnoie_sousou?_gl=1*qlxstq*_gcl_au*MjAxODI3ODE1MC4xNzE4NzczMTQ1*_ga*MzQ2NzUwNjYuMTcxODc3MzE0NQ..*_ga_XWN7DH6ZR5*MTcxODc3MzE0NS4xLjEuMTcxODc3MzE3NC4zMS4wLjA.&_ga=2.91059027.819323468.1718773145-34675066.1718773145)
出典:大東建託プレスリリース記事
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2020/rigno_r_1028.html
こちらは大東建託株式会社様が取得する集合住宅の意匠です。壁式鉄筋コンクリート造の4階建て賃貸住宅「LIGNO-R(リグノアール)」という商品であり、ユニットバスの位置を各階で交互に配置することにより、建物の高さ規定が10mのエリアで4階建てを建設していることが特徴です。
こちらの家は実は私の家なのです!最近初めて家を建てましたので、せっかくなので意匠登録を行いました!
また、意匠権は、建物の全体のデザインを保護するだけでなく、その一部分のデザインだけを保護することも可能です。特徴的な部分について、建物のデザインとして登録を受けることが出来ます。
こちらはミサワホーム株式会社様が保有する意匠権であり、白色で示された部分が意匠権を受ける部分となります。住宅の玄関ポーチの軒を利用したバルコニーが特徴的な部分として権利化されています。
3.建物の意匠権って?意匠権を取得するメリット
ここで、建物を意匠権で保護すると、その建物と同じもしくは似たデザインの建物について、意匠権を取得した人だけが建築・使用したりする権利を受けることができます。
この権利により、他の人が勝手に同じデザイン・似たデザインを無断で建築することをやめさせることができます。
次回は、「建築物の意匠権」を取得することの意義、メリットについて解説していきたいと思います。
【弁理士法人匠(たくみ)】について
弁理士法人匠(たくみ)は「意匠実務のプロフェッショナル集団」として2023年に3名の弁理士により創業されました。商品における「デザイン」の重要性は今更説明も不要ですが、一方で優れたデザインはマネ(模倣)されることがあります。これを防ぐことができる権利が「意匠権」です。弁理士法人匠では、優れたデザインを意匠権として保護するための意匠戦略や意匠権の取得サポートなどを行っています。また、IT企業・スタートアップ企業による意匠戦略やスマホアプリのアイコンデザインの権利化、複数の関連意匠を利用した網羅的な権利化サービスも行っております。
ぜひ、自社のデザインの権利化についてご興味、ご相談がある方は弁理士法人匠にご連絡ください(相談無料)。
HP:https://takumi-design.tokyo/
問い合わせ先:https://takumi-design.tokyo/privacypolicy
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