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ワイヤレス充電から考える将来予測

ワイヤレス充電規格「Qi2」の発表

MagSafe推奨派のわたしにちょっとうれしいニュースがありました。

要するに、ワイヤレス充電の次世代規格でMagSafe(Apple)をベースとしたマグネット方式のワイヤレス充電が採用されるというニュースです。
これは、AndroidでもMagSafeのようなワイヤレス充電方式が使えるようになるということなので、MagSafeに近いワイヤレス充電が使える端末が増加することになります。
つまり、MagSafeアクセサリが増えるということを意味します。

寝室の充電器をMagSafeにしたり半自作のMagSafeアクセサリを作ったりするぐらいMagSafeを活用しているので、わたしは当然大歓迎・・・というわけです。

有線充電のいま

そこでせっかくなので、ちょっと先の話も考えてみます。
じつはAndroidには、200Wの給電ができてたった8分で100%まで充電ができるスマホがあります(※有線)。

と言っても、これは各スマホメーカー独自の規格で作られたものなので、一般的なものではありません。
一般的な普通のスマホで言えば、Androidでシェアの高いGalaxyではSuper Fast Chargingという規格で25W、Super Fast Charging 2.0という規格で45Wでの充電が可能なようです。
XperiaでもPD規格の最大30Wが使えるとのこと。

現在のiPhoneで最大出力で急速充電可能なものは、iPhone 14 Proシリーズで実測最大27Wで、iPhone 14で25W(※有線)。
有線では若干Androidの方が優勢なようですね。

現代では「スマホ依存症」という言葉も聞かれるほどスマホは長時間使われているので、「急速充電」がスマホのひとつのウリとなっていることはうなづけます。

ワイヤレス充電のこれから

そんななか、現在のワイヤレス充電でシェアナンバー1のQi規格では、最大15W。
2倍近い開きがあります。
これは、ワイヤレスの場合は多くのムダが発生してしまって充電効率が悪くなる・・・という技術的な課題があるためです。

では、ワイヤレス充電は今後衰退していくのでしょうか?

確実な未来予測はだれにもできません。
でも、1年後や2年後より、10年後、20年後、30年後・・・のような長期予測となると、じつはカンタンです。

今日明日の電子通貨の価格変動はわからなくても、重たかったり送金が遅かったり手数料が高い"アナログなお金"より、スマホひとつあれば使えて送金も一瞬で手数料もかからない使い勝手の良い"電子通貨"が普及していくことは目に見えている・・・ということが現在進行形の例でしょうか。

では、現在のワイヤレス充電のさらに先はなんでしょう?

じつは、ワイヤレス充電とは 本来ワイヤレス電力伝送(WPT:Wireless Power Transmission/Transfer)と呼ばれるものなのですが、
スマホをケーブルに接続しなくても、家の中にいるだけで勝手に充電されていく・・・
電波の発信源の近くにいるだけで・・・あるいはどこにいても勝手に電気が供給される。
というのが、このワイヤレス電力伝送の最終地点です。

もちろん現時点ではまだまだ技術的な課題は多いものの、長期的にみると、この未来を求めて日々技術者や研究者の方々ががんばってくれています。

いつかは破壊的イノベーションが現れる分野

"非接触"と言いながらも充電器と接触させて充電するQiやMagSafeは、(細かい技術的な点はわかりませんが、おそらく)まだ効率向上の余地はあります。
ただし、"完全に接触しない非接触充電"技術はもっと長距離での電力供給となるため、おそらく今のQiやMagSafeの技術とは違う技術が必要になってくるでしょう。

つまり、QiやMagSafeはおそらくまだ数年から10年程度は持続的イノベーションで発展が続く可能性はあるものの、いずれ破壊的イノベーションが起きる可能性が高い分野である、ということです。

"持続的イノベーション"とは、顧客の満足のために、今ある製品に起こした革新のことで、
"破壊的イノベーション"とは、全く新しい製品やサービスを生み出すことや、既存の製品のうち一部の価値に焦点を当てて顧客に価値を提供することです。

たとえばポットで言えば、持続的イノベーションはタイガー魔法瓶のポット。
破壊的イノベーションはティファールです。

日本企業は「もっと性能の良いものを」と機能を追加したり高めたりすることに力を入れていたのに対し、ティファールは「早くお湯が沸く」という一点に訴求した製品を作って市場を驚かせた、というのが一例です。
これがいわゆるイノベーションのジレンマというもの。

こんなにMagSafe好きなわたしですが、こういった点から考えてみると、MagSafe一辺倒にならないようにと自省することができます(笑)

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