見出し画像

膝からパキパキ音がする(タナ障害)

日常生活で膝がパキパキなるという症状が気になっていませんか?痛みがなければ緊急性は低いです。

症状があることに加えて中高生で運動を盛んに取り組んでいるという場面ではタナ障害という疾患の可能性があります。医療機関も考えてください。


痛みのきっかけ

スポーツ動作(スクワット、ジャンプ)や膝の曲げ伸ばしの繰り返しにより内側の滑膜ヒダが炎症を起こし痛みが生じます。

滑膜ヒダ
胎児期に発生、通常は退化するが日本人の50%は存在する、好発する内側の滑膜ヒダが棚の様な構造をしているのでタナと呼ばれる

症状

痛みは炎症が蓄積する夜間に悪化することが多い。

活動時

スポーツ活動時や階段昇降などの屈伸時に痛みや音がパキパキとなる

膝のロッキング

長時間座位からの動きだしで引っかかるような感覚を伴うことがあります

腫れ

痛みの場所やその周囲が腫れることがあります

動きの制限

滑膜ヒダが厚くなり弾力性がなくなり、膝の動きが制限されると重症化します

好発因子

膝の曲げ伸ばしや打撲を伴うスポーツをする中高生(女>男)に多く、さらに太ももの前の筋肉が硬くなるとタナが膝の皿と大腿骨の間に挟まりやすくなるので痛みが出やすいです。

治療

第1に考えることは運動量を減らすことや日常生活の屈伸動作をできる限り減らすことです、病院では消炎鎮痛剤や湿布が処方されますが根本的な解決にはなりません。

再受傷の予防には膝の前のストレッチと膝周囲の筋力トレーニングを行うことが大切です。

安静で症状が改善しない場合は手術を選択することもあります。手術は関節鏡でタナを切除することが一般的です。症状は改善することもあれば一部の症例では再発することもあります。

まとめ

膝の痛みが内側にあり、屈伸と共にお皿の周りでパキパキ音が鳴るという方はタナ障害の可能性が高いです。

痛みはじめで医療機関を受診し、運動量をしっかり抑えればすぐにスポーツや日常生活復帰が可能となるでしょう。

個人的な経験ではバスケのジャンプ着地時に痛めた、野球のキャッチャーが立ち座りの連続で痛めたなどの経験があります、どの患者さんも痛めて1ヶ月以上練習し悪化してから来院しました。

痛めて対応が遅れれば症状は長期化し膝を曲げることが困難になることもあります。心当たりがあれば医療機関をすぐに受診しましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?