「日本の英語」から「現地企業で戦える英語」にする方法伝授します!
こんにちは。カナダの高校で現役数学教師をしている梅木卓也です。昨日「夢応援プロジェクト」と題して私の運営しているサロン「カナダで先生になりたい人たち」へのサポート企画として、現地で教員として働くには一体どの程度の英語力が必要なのかを実体験してもらうセミナーを開催しました。
僕自身もほぼ独学と努力と失敗の積み重ねで現地で教員ができるところまで持ってきたので、この過程をどう日本の教員の方へ伝えることができるかと悩んでいました。というのも縁と経験によって積み重ねられたものなので、自分の中でもうまく体系化されていなかったからです。
この道20年のバイリンガル教育専門家のマリ先生を迎えてこの企画をしましたが、ここまで明確に日本人の英語を分析、言語化される方を見たことは今までにありませんでした。驚きと納得、自分の経験を俯瞰的に今更ながら振り返ることができる機会となり企画した私にとってもとても充実した内容となりました。
今日はそのセミナーの中で特に皆さんに知ってもらいたい「日本のわかればいい英語」からどうすれば「現地人と渡り合える英語」にまで持っていくことができるかについてnoteでシェアしたいと思います。英語力を単なる試験で点数が取れるものから、英語圏の現地企業で働けるレベルに持っていきたい方には必須の超有料内容になってます。
「その英語伝えようとしてますか?」
マリ先生が終始言われたのは「その英語伝えようとしていますか?」ということ。セミナーの最初から、参加者一人一人に簡単な質問を振り、30秒ずつ答えてもらいました。例えば、「あなたの出身地について教えてください」とか「好きな食べ物は何ですか?」など。
「3・2・1」とマリ先生が言われるとスタート。スマートフォンの30秒タイマーが動き出します。それぞれが思い思いの内容を自分の持つ英語をフル活用して話していました。かなり緊張感があったと思います。8人全員が終わったころ、容赦ないマリ先生の日本人の英語の特徴についてのお話がありました(笑)
①早く難しくしゃべらなくていい
日本人の特徴として早くしかも難しく話そうとする傾向があるようです。そこにある心理は「自分が言いたいことをできるだけ言いたい」ということ。そこには相手にわかるようにとか相手が聞き取れるようにとかいった配慮は一切ありません。
マリ先生は続けられました。「日本で日常生活を行っていて、こんなに自分はじぶんはと話してくる人はいますか?」また、「こんな話し方をしている人の話を聞き続けたいと思いますか?」
でもこれはなにも個人の問題ではなくて、日本の英語教育がいまだに「わかってもらえばいいや」レベルで、「相手に伝える英語」になってないからだそうです。なのであえてゆっくりと平易な表現で伝えることを勧められて、その点を気を付けるだけでも参加者の英語は見違えるようになりました。
②あーえーは文章の切れ目
次に挙げられた特徴として、言いたいことを考える間にでてしまう「あー」や「えー」という言葉。このつなぎ言葉を意識的に言わないということを練習しました。
改めて考えると納得ですが、日本人の特徴として「あー」や「えー」という言葉は日本語を話していても出てくることがよくあります。あまり極端に入れすぎると日本語であっても耳障りだし、知性を疑われます。
英語になると当然考えなくてはいけない瞬間は日本語よりも増えるわけで、しかも文と文の間というよりは、単語と単語の間でさえよく出てきます。これを文章で書くと「私は「えー」ハンバーガーが「あー」好きなんです。「えー」そうそう「あー」ダブルマック「えー」好みですね。」みたいな感じになります。
これをゆっくりでもいいので「あー」や「えー」をなしにするだけで、「私はハンバーガーが好きなんです。そうそうダブルマック好みですね。」となります。どちらの方とより話したいと思われますか?日本語の癖なので直すことは難しいと思われるかもしれませんが、意識すればすぐ直ってしまうそうです。
③語尾を上げない
三つ目に挙げられたのは語尾を上げないということ。これはもしかすると自信のなさからくることかもしれないし、今回のセミナーで分かったことは一般的に癖づいてしまってる人が多いかもしれないということ。
残念なことに語尾を上げると、英語では質問をしているように聞こえます。あと日本語よりは英語のほうが低いトーンで話すので、そのあたりの調整がないまま、日本語につられて高いトーンで質問口調で話しているとまるでバラエティータレントのローラみたいにネイティブスピーカーには聞こえるんではないかとマリ先生の話を聞きながら想像していました。
これも二点目と同様、意識してマリ先生のような講師と矯正していくことですぐに直ってしまうそうです。僕も聞きながら昔はそうだったなと思う点ばかりでした。
セミナー中盤はカナダ移民で重要な英語力を測るテストCELPIPとIELTSについての解説。実際の問題なども通して単語力の大切さについてお話しされました。セミナー後半は実際のCELPIPに出てくるような問題を使ってスピーキングをさらに深めました。
CELPIPの例題を実際やってみよう!
それは以下のような写真をもとに行います。考えることができるのは30秒間。30秒経つとコンピューターのタイマーがスタートして60秒間その写真についてしゃべり続けなくてはいけません。その間の音声はすべて録音され、その内容をもとにスピーキングの点数が決まるようです。
もちろんすでにあげた①早くしゃべってるが何を言っているかわからない②文章が途切れすぎている③語尾が上がって質問をしているみたいはすべて減点対象になるようです。
みなさんも試してください。60秒間話すことできますか?ゆっくりでいいので詰まらず、「あー」も「えー」もなく、語尾を上げずに話すことできますか。言うは易く行うは難しです。
ちなみにマリ先生のレッスンを受講すると自分の声を録音して徹底的に矯正するみたいです。これを聞いて思い出したのは、カナダに来てから数年がたったころ、ネイティブスピーカーの友達でやたら文章と文章の間に「You know?」を入れる方がいて、不自然なくらい入れていたのであほっぽく聞こえていました。反面教師じゃないですが、彼を見ていて自分もそうでないかよくチェックしたものです。
いろいろ頭が真っ白になったり、失敗を山ほど繰り返して、英語を英語で処理できるようになった今では上記のような写真を見ると、左端のホットドックを買ってるお姉さんから話して、なぞるように右に話を移していき、上記の工事や事故の話をしていこうかなって感じで、単語の出るままに(はい、思考より単語が先です)次に話をつないでいこうと思いますが、日本語で考えて英語を話していた当時を思い出すと、処理が追い付かず「あー」「えー」の連呼だっただろうなと思いながら、参加者の英語を聞いていました。
やはり大事なことは「言えることから言う」ということ。写真を見て、あえて説明しにくいところを選ぶ傾向が日本人には強いみたいで、そうなると自分からドツボにはまりに行く行為。このあえて簡単なところから攻めていく、あえてイメージしやすいところから話すという発想も訓練が必要だなと思いました。
ちなみに私はこちらに来たころ、ドツボにはまる説明をよくしていました。一度プレゼンの最初の5分を任されていて、20秒くらい話した後頭が真っ白になりそのあとの4分以上何も言えなかったことがあります。まあそんな失敗を繰り返しながら英語脳ができていきます。
この例題を見てもう一つ大事だなと思ったのは、普段の何気ない生徒や同僚の教師との会話はこのようなものが多いということです。週末にしたことや、クラスであったことを思い出しながら、イメージを作りながら話していく。これが瞬時にできないと、関係性や信頼を醸成することはできません。
あとこれはさらに上級者向けな話ですが、ただ「ホットドックを買っている」と言うにしてもbuyなのかpurchaseなのかという問題。普段自分が何かを買ってこようとしているときなどはbuyでいいんですが、客観的に起こっていることを誰かに説明する際にbuyを使うと少し幼稚に聞こえます。
これは例えば日本語にすると「女性がホットドックを買ってる」と言うのか「ショートヘアの女性がホットドックを購入しています」と言っているような違いで、日本語で聞こえる以上に言葉のチョイスによって「正式でかしこまった話し方」ができるかどうかが見えてしまいます。
こんな感じでIPPONグランプリの「写真で一言」じゃないですが、何かを見てその場ですぐに説明できるかというような訓練をマリ先生の授業では結構するそうです。まさに実践力爆伸びなレッスンですね。
俯瞰する楽しみ
こんな感じで当初1時間を予定していたセミナーも1時間半以上かかりましたが、内容の濃さとマリ先生の切れ味のよさでもう終わり?と思うような時間でした。
自分が歩いてきたかなりでこぼこな英語習得への道のりが、ここまで明確に言語化されたことは初めてで、何か目が覚めたような思いがしました。まあ自力で独学で右往左往しながら遠回りしながら習得した力も今思えば遠回りではなく意味があったと思うこともできますが、これからカナダで先生になろうとされる方は使えるツールはどんどん使って、あえて俯瞰できることでより意図的に英語を伸ばし、つかめるチャンスを確実につかんでほしいなと思いました。マリ先生はカナダ在住ですが、IELTSやCELPIPの対策をオンラインで教えられてます。マリ先生に連絡を取りたい方はこちらからどうぞ。About Us | Focus Education Services (focus-education.ca)
最後まで読んでいただいてありがとうございます。ではまたの機会まで。
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